エジプトで遺跡の発掘ラッシュ!ルクソールで1,800年前のローマ都市を発見

  • 文:美矢川ゆき
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@RomanMiddleEast - Twitter

エジプトの都市ルクソール南部で、約1800年前の「ローマ時代の居住都市」が発見された。ルクソールの町は、ナイル川を挟んで西岸と東岸に分かれていて、この遺跡が発見された場所は、ルクソールの東岸だ。ルクソール東岸には、ルクソール神殿やカルナック神殿があり、エジプト最大規模の神殿群の遺跡が有名である。一方、西岸には「王家の谷」「王妃の谷」と呼ばれる墓所や、「ハトシェプスト女王葬祭殿」があり、岩窟墓が多数発掘されている。ルクソールは、1979年に「古代都市テーベとその墓地遺跡」がユネスコ世界遺産に登録されており、ファラオ時代の古い遺跡が数多く残る場所として知られる。

ART Newsによると、エジプト考古最高評議会のモスタファ・ワジリ議長は、今回発見された都市は2世紀から3世紀頃のローマ時代のもので、「ルクソールの東岸で見つかったなかで、最も古く、最も重要な都市」だと語っているそうだ。この遺跡から、住居や工房、ローマ帝国の別の地域にメッセージを伝える伝書鳩を飼育するための2つの塔などが見つかっている。工房には、鍋や道具、銅や青銅でできたローマ時代のコインなど、日常生活に必要なものが残っていた。

日頃から様々な古代遺跡が出土するエジプトでは、神殿や墓の発掘が一般的だ。その為、今回の都市の遺跡は、当時の一般市民の生活がわかる、珍しい考古学的発見と言える。

 

公開されている遺跡の写真 @RomanMiddleEast - Twitter 

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遺跡にてアラビア語で語るモスタファ・ワジリ氏@mostafa_waziri - Twitter

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観光客獲得作戦で、メディアに注目される発掘を優先!?

エジプトは近年、いくつかの主要な考古学的発見を発表している。2021年4月には、ルクソール西岸で3000年前の「失われた黄金都市」を発見したと発表し、考古学チームはこれをエジプトで発見された「最大の」古代都市と呼んでいる。今年だけでもすでに60体のミイラ化した遺骨が発見され、ルクソールでは新たに王墓が発掘されている。AFP通信によると、「発掘の慌ただしさは、学術的な研究よりもメディアの注目を集めるような発見を優先している」と見ている批評家もいるそうだ。

 

2021年4月、ルクソール西岸で発見された3000年前の都市 @CNN10 - YouTube

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2028年までに年間3000万人の観光客誘致を目指す

これらの考古学的発見は、長年の政情不安やコロナウィルスの大流行の後、エジプトの観光を復活させるための大きな取り組みの一部となっている。今年、長らくオープンが遅れている大エジプト博物館がカイロの新施設として誕生し、多くの考古学的遺産が収蔵される予定だ。エジプト政府の計画は、パンデミック前の1300万人から、2028年までに年間3000万人の観光客を呼び込もうというものだ。人口1億400万人のエジプトは深刻な経済危機に見舞われているが、エジプトの観光産業は国内総生産の10%を占め、約200万人の雇用を生み出している。

 

2023年オープン予定の大エジプト博物館 @Travels - YouTube

 

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ミュージアムショップの様子 @grandegyptianmuseum – Instagram

 

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公開されている遺跡の写真 @RomanMiddleEast - Twitter 

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遺跡にてアラビア語で語るモスタファ・ワジリ氏@mostafa_waziri - Twitter

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2021年4月、ルクソール西岸で発見された3000年前の都市 @CNN10 - YouTube

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2023年オープン予定の大エジプト博物館 @Travels - YouTube

 

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