音楽はライフスタイルや生き方に影響力のあるものだと信じています

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    48 大木伸夫|ミュージシャン

    各界で活躍する方々に、それぞれのオンとオフ、よい時間の過ごし方などについて聞く連載「MY Relax Time」。第48回は、“生命”や“宇宙”をテーマにした詩世界やさまざまなジャンルを取り込んだ幅広いサウンドで多くのファンを魅了する3ピースロックバンド「ACIDMAN」のボーカル・ギター大木伸夫さんです。

    写真:殿村 誠士 構成:舩越由実

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    大木伸夫(おおき・のぶお)●1977年、埼玉県生まれ。97年にACIDMAN結成し、2002年メジャーデビュー。現在までに12枚のオリジナルアルバムを発表、6度の日本武道館公演、2017年には結成20周年の集大成として故郷埼玉県さいたまスーパーアリーナにて「SAI」を主催。幼少期より宇宙への関心が高く、その知識や宇宙視点からの思想などを反映した唯一無二の世界観をつくり出している。

    昨年の11月に2年かけて準備した主催のフェス「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI” 2022」が終わり、最近は曲づくりやアレンジに集中しています。音楽は“音を楽しむ”と書くので楽しければいいと思うけど、僕はそれだけでは全然満足できない。音楽によって心の奥になにか残って、夜空を見上げる機会が増えたとか、世界がちょっと豊かになったとか、ライフスタイルや生き方に影響力のあるものだと信じているんです。音楽でその表現を追求していきたいといつも思っています。伝えたいメッセージはひとつですが、やりたいことはたくさんあるので、いろいろな表現方法で曲を届けられたらと思います。

    3月には2012年から毎年開催している福島でのワンマンライブを予定しています。毎年、ライブの翌日に原発の麓まで行っていますが、最初の頃は想像を絶するような場所がたくさんあったのが、どんどん立ち入り区域が開けていって街が活気づくさまを見てきました。復興支援で福島に想いを馳せるつもりで始めましたが、ここ数年は食事に行ったり友だちに会ったりすることが楽しみになっています。

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    リラックスの時間といえば、夜ウイスキーを飲みながらレコードをかけて本を読むことです。
    レコードには人間の耳には聴き取れない周波数も収録されているので、心地よい、いい音で聴くことができるんです。最近はピアノだけの演奏をよく聴きます。ジャンルでいうとポストクラシカルかな。レコードから流れるピアノの音とウイスキーの相性がとてもいいんです。本はいろいろ読みますが、なかでもSF小説は好きでよく読みます。宇宙の歌を歌い続けているくらい宇宙が大好きなので、素粒子や重力波など宇宙に関する新しい発見があれば、そういった本を読みます。

    でも、着ているのはジャージや毛玉だらけのスウェットです(笑)。

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    家でゆっくりお酒を飲むのも好きだけど、居酒屋で飲むのも好きです。もっぱら赤ちょうちん派。家ではあまりたばこを吸わないですが、飲みに行った時は吸いたくなりますね。ミュージシャン仲間ともよく飲みますが、たばこを吸う人は多いです。昨年さいたまスーパーアリーナで「SAI 2022」を開催した時も、出演者がアクセスしやすい場所に特別に喫煙所を設置させてもらって、交流しやすい場にしました。喫煙所で仲よくなることって多いですよね。コミュニケーションが生まれて、これまで接点の無かったバンド同士が親しくなるのを見て嬉しくなりました。ずっとそこから動かない人もいましたよ(笑)。

    僕自身もたばこを通してコミュニケーションを取ることはありますが、他者に対するにおいや煙への配慮は常識だと思っています。喫煙者として自分は少数派になっている自覚はあるので、自由な生き方をしている以上、気遣いは大切ですよね。

    ACIDMAN INFORMATION

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