農家や農業専門家たちに向けた、新たなアシスタントが登場した。畑で作物の検査を行うロボットだ。センサーとカメラを備え、1日に約20ヘクタールを自走し、作物への脅威がないかを検査する。この偵察ロボットと呼ばれる「SentiV」は、近接センサーを使って、作物の状態に目を光らせる。農場と畑専用の、手や足のない警備員だと思っていいだろう。
農業従事者のために開発されたSentiVを開発したのは、フランスのグルノーブルを拠点とするロボット企業Meropyだ。作物に関する問題の解決へ向けてアドバイスしたり、試験農場で作物パフォーマンスを最適化したりすることで、農家の作業効率を向上させる。農地に入ると、データを集め、変動を地図上で光らせる。
こうしたアプローチによって、農家は畑の状態に関する詳しい情報を受け取り、直ちに対応することが可能になる。また、生産量が増え、作物の質も向上するため、利益も得られる。この作物検査ロボットを使うことで、手作業で行うよりも労働時間を短縮し、農家や農業従事者の生活の質を向上させることもできる。
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作物を自主的に検査
SentiVは、畑に入ると自主的に動き、設定された場所を検査してから、元の場所に戻る。そばにオペレーターがいる必要はない。畑全体が調査・分析され、1日で20ヘクタールをカバーできる。
カメラを2台搭載しており、葉の表と裏をスキャンする。SentiV開発チームは、「今後、検査すべきデータの種類に合わせてセンサーを増やしていく」と述べている。収穫期の作物は背が高くなるが、開発チームは事前に対策を講じており、柔軟な対応が可能だ。
幅、高さ、動き方はすべて、検査する植物や作物の種類に合わせて調整可能であり、作物の成長にもうまく対応できる。開発チームによると、SentiVは軽量で(総重量は15キロほど)、作物を踏まないようデザインされた車輪を採用しているため、畑を傷めることはない。
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AIを搭載
SentiVはAI(人工知能)で動き、一連のアルゴリズムによって、データの収集・検証を行っている。これによって、作物が必要とする栄養や水を監視し、精密な植え付け(variable rate seeding:VRS)や散布などの最適化が可能になっている。
さらに、作物にとって脅威となる雑草、病気、害虫を発見し、季節に合わせて生物が成長しているかを監視することも可能だ。開発チームによると、SentiVのセンサーがとらえた画像は、既存のリモートセンシングとは異なり、人が目で見て分かる以上の情報を提供してくれるという。
農家と農業従事者は、高解像度の画像を拡大・縮小することで、畑に入って問題を直接探す前に、作物に何が起きているかを把握できる。「さらにこのロボットは、作物キャノピー(作物冠:太陽光線を直接に受ける枝葉が茂る部分)の下にある土壌や、葉の裏側もスキャン可能だ」と開発チームは強調している。
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プロジェクト情報:
名称:SentiV
会社: Meropy
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【画像・動画】畑専用の警備員が登場…作物を検査してくれるロボット「SentiV」とは?
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作物を自主的に検査
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プロジェクト情報:
名称:SentiV
会社: Meropy
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※この記事はdesignboomからの転載記事です。
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「人間が機体の一部に」 画期的な“バックパック型電動ヘリ”で空飛ぶ未来
空飛ぶクルマからeVTOL(電動垂直離着陸機)まで、未来の乗り物はどれも空中に浮かんでいるようだ。その新たなレパートリーのひとつが、自動水平調整機能を搭載したバックパック型電動ヘリコプターのコンセプト「コプターパック(CopterPack)」だ。
この製品を開発しているのは、オーストラリアに本拠を置くコプターパック社。現在はこの乗り物の開発段階であり、従って、「コンセプト」という言葉が使われている。
同社がコプターパックについて明らかにしている範囲では、カーボンファイバー・ハニカム構造の軽量機体に、明るい白色の光線を放つLEDライトを備えていることがわかる。
コプターパック社は、このバックパック型電動ヘリコプターの特徴について、パイロットが装着すると、まるで自分の体が機体の一部となり、一体となって機能するように感じられることだと述べている。
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コプターパックのサイドにある2つの回転翼
コプターパック社が2021年5月に公開した初飛行の動画では、機体はロープでつながれていたが、このテストによって、設計チームが実際の製品の飛行力学と機体の安定性を評価することができたとされている。
この動画によると、コプターパックは、パイロットが装着するギアに2つのローター(回転翼)が取り付けられている。ローターを見ると、推進力として強力なジェットエンジンが必要になるかもしれない。そのため、パイロットの目に粉塵や鋭利なものが入らないよう、ヘルメットを装着する模様だ。また、ローターは上下にカバーがないオープンタイプになっている。このようなエンジンの設計は、思わぬ危険をはらんでいるかもしれないが、設計チームがまだ検討中である可能性もある。
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LEDライトを備えた自動水平調整機能
このバックパック型電動ヘリの動力源は、リチウムイオンバッテリーの模様だ。自動水平調整機能は、難しい操作をせず飛んでみたいと思ったことがある人にとっては夢のような話だ。
2022年8月に公開された「第二世代」の動画を見るとわかるとおり、パイロットは、前方、後方、および側面に傾くことで、簡単にヘリを操作しつつ、空中を移動できる。また、LEDライトが搭載されていて、夜間の水平飛行にも対応している。パイロットの両手にはジョイスティックがあり、進む方向、速度、推進力をコントロールすることができるようだ。
技術やその他の仕様については、この記事の公開時点では、コプターパック社のウェブサイトの説明がまだ更新されておらず、YouTubeチャンネルにも4つの動画がアップロードされているのみだ。
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【動画】コプターパックで空を飛ぶ様子
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【画像】「人間が機体の一部に」 画期的な“バックパック型電動ヘリ”で空飛ぶ未来
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プロジェクト情報:
名称:コプターパック
企業名:コプターパック社
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※この記事はdesignboomからの提供です。