BARCELONA バルセロナ/スペイン
未完成のサグラダ・ファミリアを、ドローンの光で照らしだして完成させたビジュアルが、SNSで話題を集めている。
これは、ドローンで光を操り存在しないものを可視化させることで注目されている2人組のアーティスト、「DRIFT」によるもの。2020年以降、ドローンのソフトウェアの改良に取り組んできたという彼ら。アイデアが生まれた経緯を「ノートルダム寺院が燃えた時に、光で建物を再建することを思いついた」と語る。失われた部分を再現するだけでなく、サグラダ・ファミリアのように未完成の建築物の完成形を映しだしたり、建築物の着工前に都市計画がどのようになるかを可視化したりできるというのだ。
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※この記事はPen 2023年2月号より再編集した記事です。
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「サグラダ・ファミリアが完成したら…」未完成の建築をドローンの光で可視化する、オランダのユニットによる驚きの試み
文:美矢川ゆき
もしもローマのコロッセオの欠けている部分が蘇ったら?バルセロナで建設中の世界遺産サグラダ・ファミリアが完成したらどんな大きさになる?
オランダの2人組アーティスト「DRIFT」は、ドローンで光を操り、存在しないものを可視化させることに成功。未完成のサグラダ・ファミリアをドローンの光で照らしだして完成させたビジュアルが、話題を集めている。
DRIFTは2020年以降、ドローンのソフトウェアの改良に取り組み、「ありえないこと」を視覚化させるために、実物大のレンダリングを作成してきた。今回の作品の発表とともに「すべての建築家の方に、サステイナブルな方法で、未来のプロジェクトに命を吹き込むお手伝いをさせていただきたい」と呼びかけた。この技術により、建築物の着工前に、都市計画がどのようになるかを可視化することもできる。
DRIFTが発表したサグラダ・ファミリアなどのインスタレーション
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ノートルダム寺院の火災がきっかけ
DRIFTは、このアイデアが生まれた経緯について「ノートルダム寺院が燃えた時に、私たちは光で建物を再建することを思いつきました」と、Artnet Newsに語っている。「光で修復することにより、過去の美しい建物と未来のハイテク技術がつながって、コントラストが生まれ、ポジティブな力が生まれると思うのです」
SNS上には「なんて素晴らしいアイディア!」という、多くの絶賛の声が上がった。さらにDRIFTは、Instagramのストーリーズの機能を使い「次に見たい建築は何ですか」という質問を投げかけた。すると、「エジプトのピラミッド」「建設計画があったインドのブラック・タージ・マハル」「滅亡したメキシコの都市テノチティトラン」「旧約聖書に登場するバベルの塔」などさまざまなコメントがあふれた。
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DRIFTとは
DRIFTは、オランダ人アーティストLonneke GordijnとRalph Nautaによって2007年に設立された。64人の様々な分野の専門家とチームを組んでいる。メンバーには、最先端の技術とアートを融合させる研究などをするDrone StoriesとNova Skystoriesも入っている。高度なソフトウェアを研究開発し、体験型の彫刻やインスタレーション、パフォーマンスなどを発表している。
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【画像】「サグラダ・ファミリアが完成したら…」未完成の建築をドローンで照らし出す、驚きの試みが話題
studio.drift-Instagram
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DRIFTが発表したサグラダ・ファミリアなどのインスタレーション
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