ジャガー・ルクルトから、"究極"のヴィンテージコレクションが発表。豪華リファレンスブックにも注目!

  • 文:並木浩一
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カプセルコレクションに付属する大型豪華本「コレクタブルズ」は、コレクター垂涎のリファレンスブック。珠玉のヴィンテージモデルについて、つくり手自身が綿密な解説を行なっている。

スイス時計業界の中でも屈指の伝統を誇るマニュファクチュールであるジャガー・ルクルトが、創業190周年を機に壮大なプログラム「コレクタブルズ」を発表した。時計史を彩ってきた伝説的なモデルに新たな生命を吹き込み、現代に蘇らせる奇跡のプロジェクトだ。

二度と手に取ることができないと思われた過去の名品や、生まれる前の傑作群がカプセルコレクションとして再誕する夢の企画は、1月25日から開始。コレクションは長い歴史を紐解き、厳選された17モデルで構成される。「ジオフィジック」や「マスター・マリナー・ディープシー」「メモボックス・パーキング」などブランドの開発力、技術力を代表する17モデルが揃い、ジャガー・ルクルトの継続的コレクションとして、ネットでオーダーを受けるほか、今後貴重なコレクションが世界を巡回する。

正規部品でメンテナンスされた、"パーフェクト"なヴィンテージ・ウォッチ

スクリーンショット 2023-01-13 15.27.21.png昨年行われたメディア向け発表会で、プロダクトマーケティング&ヘリテージディレクターのマチュー・スレット(右)とともに、画期的な「コレクタブルズ」のプログラムを発表するジャガー・ルクルトCEO、カトリーヌ・レニエ(左)。「50年、80年前の時計に新たな命が吹き込まれるのは、素晴らしいことです。世代から世代へと受け継がれ、時代を超越した耐久性を備えたこれらの時計は、この世界の美しさを象徴しているのです」と語った。

ジャガー・ルクルトは、今年で創業190年となる。マニュファクチュールにとって、二度目の100年紀という偉大な節目まで、もはや10年。その機に発表されたのがこの画期的な新プログラムだ。20世紀にジャガー・ルクルトは機械式腕時計の世界を変革する画期的な発明を数多く成功させ、伝説的なモデルを発表してきた。いまも高い歴史的価値をもつ選りすぐりの名品を、ジャガー・ルクルト自身が完全なコンディションに整え、カプセルコレクションとして販売するというのである。

いうまでもなくジャガー・ルクルトの過去の逸品は、ヴィンテージ市場でも高い人気を誇る。とはいえそれらの状態はまちまちであり、オリジナリティに疑問が付されることも珍しくない。純正の部品が正しく使用されているかどうかの判断も難しく、場合によってはフェイクの可能性も否定できない。

いっぽう「コレクタブルズ」の品は、ジャガー・ルクルトが買い戻したハイ・コンディションの品を、自らが保管する正規部品でメンテナンスしたものだ。もし交換部品が現存しなければ、設計図や金型から、オリジナルで制作することすらできる。名品は時空を飛び越え、若返り、蘇るのである。製造元そのものによって、100%オリジナルであることが保証された、パーフェクトなヴィンテージ・ウォッチなど、そうそうあるものではない。

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「ジオフィジック」。極地探検を想定した耐磁性と防水性を確保し、発光塗料付きの針を装備、かつクロノメーター認定の精度をもったモデルとして1958年に製造。オリジナルの本数は約1000本と言われ、ヴィンテージ市場での人気が過熱し、2015年に一度復刻されたが、これがオリジナルだ。
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「メモボックス・パーキング」。ジャガー・ルクルトのお家芸でもあるアラーム機能を、パーキングメーターのタイムアップをリマインドするために応用した、キッチュな銘品。投入するコインの金額で駐車可能時間が選べ、追加投入も可能な米国等のメーターに対応。30分、60分、2時間の目盛が設定されている。

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各モデルも掘り下げた、レファレンスブックも付属

「コレクタブルズ」それぞれのタイムピースには、ジャガー・ルクルトが保有するアーカイブを抜粋した、正しい履歴を保証される。もし可能な場合には、オリジナルのボックスや書類も付属。ストラップは新品が装着されるが、事情が許せばオリジナルのストラップまたはブレスレットが添えられる。しかもなにより注目なのは、一つひとつの品にジャガー・ルクルトが制作した百科事典的なレファレンスブック「コレクタブルズ」が付属することだ。「コレクタブルズ」の現コレクションには、1925年から1972年に製造された17種類の銘品がラインアップされているが、ブックではその17のモデルそれぞれに1章をもうけ、徹底的に掘り下げた。

各モデルの説明、誕生のヒストリー、先駆的な革新技術、リファレンス毎の製造番号や使用ムーブメント、ケースに採用したメタル、ダイヤルのバリエーション...。つくり手であるジャガー・ルクルトしか知りようもないこと、調べることすら叶わないことを、豊富なビジュアルとともに実記述しているのである。しかも当時の歴史や文化に関するバックグラウンド・ストーリーも併せて掲載し、コレクターが知りたい、知るべきことを網羅している。

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「マスター・マリナー・ディープシー」。クッション型ケースにダブルクラウンの、アイコニックなダイバーズウォッチ。外付けの逆回転防止ベゼルではなくインナー回転ベゼルを採用し、操作用の2時位置リューズを装備した。製造本数の少なさから、ヴィンテージ市場でも希少なモデル。
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「シャーク・ディープシー」。文字盤のフリンジ部分にタキメーター目盛りを備えた、3レジスターのダイバークロノグラフ。ユニークなのは外付けのベゼルが交換可能なことで、分目盛りのダイバーズ、テレメーター、この写真のワールドタイマーの3種類がオリジナルで付属していた。

ジャガー・ルクルトには、他にはない腕時計を開発し、つくり続けてきた伝統がある。ムーブメントから一貫生産できるつくり手の称号“マニュファクチュール”が、これほど相応しいブランドもないだろう。190年の歴史の中で設計・制作したムーブメント数は世界一で、なんと1300種類を数える。コレクタブルズのタイムピースは、20世紀の時計製造の黄金期ともいえる時代に、ジャガー・ルクルトが果たした役割を再認識させる。永遠の銘品「レベルソ」の初期モデル、手巻きのリューズを持たない完全自動巻き「フューチャーマチック」、画期的なアラーム機構を備えた「ポラリス」のバリエーション、伝説のダイバーズ「マスター・マリナー・ディープシー」の希少なモデルが登場する。

コレクター垂涎の品々は、もともと専門家によって徹底的な調査の後、ジャガー・ルクルトの修復工房で、現在10人の専門職人が所属するチームが完全に整備および修復したものだ。チームは部品の設計図を特定し、オリジナルの交換部品の在庫を探す。もし叶わなければ、同一の部品を一から制作する。完全に統合されたマニュファクチュールには、過去にも現在にも不可能がない。「コレクタブルズ」は究極のサステイナビリティを実現する、奇跡のコレクションなのである。

問い合わせ先/ジャガー・ルクルト TEL:0120-79-1833
https://www.jaeger-lecoultre.com/jp-ja/watches/collectibles

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「コレクタブルズ」写真一覧

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