現在発売中のPen最新号「戦国武将のすべて」では、戦国武将たちの知られざる姿を解き明かしつつ、映画『THE LEGEND & BUTTERFLY』、大河ドラマ『どうする家康』など、話題の大作の魅力をひも解く。さらに戦国時代を舞台にした人気漫画・ゲームなどの裏側や制作秘話に加え、軍師の働きや名城の見どころ、天下分け目の合戦模様や大名の組織運営まで、あらゆる角度から戦国武将たちの姿に迫る。
Pen最新号「戦国武将のすべて」
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『信長の野望』と双璧を成すほどの人気を誇るゲームが『戦国BASARA』だ。各キャラクターは、歴史の教科書や史料で目にする武将の姿とはかけ離れているが、その秀麗なデザインの根底には、史実をもとにした解釈があった。
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好きな戦国武将をプレイヤーとして選び、次々と襲いかかる敵をなぎ倒しながら天下を目指すアクションゲーム『戦国BASARA』。一騎当千の戦国英雄が、画面内で強力な技やコンボを決める爽快感と豪快さから、戦国ファンならずとも多くの人を魅了してきた。
プレイ面もさることながら、もうひとつの魅力として語られるのが、戦国武将たちの個性豊かなキャラクターデザインだ。一般的に戦国武将といえば剛健で勇猛なイメージが先行しがちだが、『戦国BASARA』シリーズでは、彼らが大胆なほどスタイリッシュな姿にデフォルメされている。
もちろん、各武将のデザインには史実からインスピレーションを得ている部分も多い。たとえば、メインキャラクターのひとりとなる伊達政宗の場合は、隻眼や愛用した三日月の前立などがそのまま残されている。しかし、もととなった史実からさらに解釈を深め、その要素がデザインに反映されるケースもある。豊臣家に忠誠を誓って徳川家康と対立し、関ヶ原の戦いを起こした石田三成の場合は、後に天下人として君臨する家康とは非常に対照的なデザインに仕上げられている。家康には太陽や光、金色などの明るいモチーフやカラーが使用されている一方、三成には月や闇、銀色などの要素が活かされている。
美麗にデザインされた戦国武将たちの人気は、ゲーム内にとどまらず、テレビアニメや舞台などメディアミックスも展開。なかでも2009年から行われている舞台は、いわゆる「2.5次元舞台」の先駆けとなった。史実とはまたひと味違う解釈が深められるだけに、アクションのみならず、そのビジュアルも楽しみたい。
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伊達政宗(だてまさむね)
シリーズを通したメインキャラクターのひとりである伊達政宗。愛用した三日月の前立が特徴的な兜に加え、隻眼であったことから名付けられた「独眼竜」という異名になぞらえ、右目に眼帯を着けている。そして目を引くのが、両脇に差された6本の刀。戦いの際には竜の爪のように、片手で3本の刀を指の間で挟んだ「六爪流」で構える。
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真田幸村(さなだゆきむら)
伊達と同じくメインキャラクターである真田幸村には、鮮やかな赤が用いられている。これは、実際に幸村が鎧や武具を朱塗りにした「赤備え」を身に着けていたことから考案された。武器は、両手に持った「二槍」を使用。史実でも幸村が愛用したとされる「大千鳥十文字槍」が再現されており、槍の矛先にすらりと伸びる十文字が特徴だ。
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長曾我部元親(ちょうそかべもとちか)
土佐の国に生まれ、四国統一を目指した戦国武将。ゲーム内のデザインでは、大きな眼帯や荒々しく逆立った銀髪に紫の衣装と、斬新な姿が際立つ。水軍を操って四国の海を制したという史実から、武器には船の碇をモチーフにした巨大な槍を使用。槍の柄の部分に長い鎖が巻き付いており、その鎖で敵を釣り上げることもある。
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石田三成(いしだみつなり)
豊臣家を信奉し、徳川家康と敵対する若き武将という設定の石田三成。逆三角形の銀色の前髪が特徴だが、これは西洋の甲冑をイメージしており、どんなに激しく動いてもゆれないことで知られている。武器は、鍔(つば)がふたつ付いた長剣で、先端には三成が身に着けた家紋「大一大万大吉」が記されるなど、細部にもこだわりを見せる。
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毛利元就(もうりもとなり)
中国地方を治めた毛利元就は、「朝日に向かって1日に10回念仏を唱えていた」との史実から着想を得て、ゲーム内では日輪(太陽)を強く信仰するキャラクターとして描かれている。「輪刀」と呼ばれる2本の半円形の刀を組み合わせた武器を使用。着用する鎧も鳥が翼を広げたかのような、ユニークなデザインが印象的だ。
「戦国武将のすべて」
2023年2月号増刊 No.537 ¥1,100(税込)