「新しい年、2023年は、仕事にプライベートに充実した1年にしたい」。なかでもコロナ禍で控えていた旅に、積極的に出かけたいという人は多いだろう。
そんな時に参加を検討したいのが、クレジットカード会社が会員向けに展開するイベントの数々。なぜなら、通常は見られない場所、味わえない体験を楽しめることが多く、大いに活用する価値があるからだ。
今回はそんなイベントの中から、「ダイナースクラブ」が2022年11月27日に開催した「ダイナースクラブ会員限定 浄土宗総本山知恩院 貸切特別拝観」の様子をレポートする。当日は約700人が京都・知恩院に集まり、通常は非公開となっているエリアや見頃を迎えた紅葉を鑑賞。御影堂では参加者がひとつになって、お念仏を称えた。
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「知恩院」で貸切拝観が実現した日
ダイナースクラブは、「ここでしか、見つけられないものがある。」のブランドスローガンのもと、年間を通してさまざまなイベントを催行する。特に人気が高いのが、春と秋に京都の寺社仏閣を会場にして行われるイベント。2022年秋は、浄土宗総本山 知恩院がその舞台となった。知恩院では通常、貸切拝観を行わないため、たいへん貴重な機会となる。加えて通常は非公開・立ち入り禁止のエリアも見学できるとあって、当日は約700人がこの会に参加した。
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知恩院は、浄土宗の元祖・法然上人が、「南無阿弥陀仏」の念仏の教えを広めた後、その晩年を過ごした地に建立された寺院。800年以上の歴史を誇り、信徒のみならず、多くの参拝者が訪れる場所だ。東山三十六峰のひとつ、華頂山の麓に広がる73000坪(東京ドーム5つ分)に多くの堂宇を構え、その境内に足を踏み入れるには、まず国宝に指定される壮大な三門を見上げることになる。
今回のイベントで拝観する「経蔵」「大鐘楼」「大方丈」「小方丈」「御影堂」は、この三門を潜って、男坂(もしくは女坂)と呼ばれる石段を登った場所にある。参加者はグループに分かれ、知恩院の僧侶の案内のもとそれらを順番に拝観していく。
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最初に訪れたのは、「経蔵」(通常、内部は非公開)。先ほどの三門と同じく、1621年(元和7年)に建立され、現在は国の重要文化財に指定されている。内部の壁には狩野派の絵師による極彩色の絵が施され、中央に鎮座するのが、八角輪蔵。かつてはここに江戸幕府2代将軍・徳川秀忠の寄付によって納められた「宋版一切経」約6000帖が安置されていたそうだ(現在、「宋版一切経」は九州国立博物館と知恩院で文蔵されている)。その輪蔵を取り囲むかのように、持国天や多聞天などの仏教を守護する仏神が配されている。
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この輪蔵は土台が回る構造となっていて、くるくると1回転させれば、「宋版一切経」を読誦するのと同じ功徳を積むことができると伝わる。「文字が読めない人でも善根を積めるようにと、編み出された方法がこれなのです」と、知恩院の僧侶の河原さんが説明する。現在は輪蔵の回転は禁止されているが、「ご自身で輪蔵の周りを1周すれば、1回転させるのと同じ功徳が積めるんです」と付け加える。
背の高い輪蔵を眺めながら、試しにぐるりと建物内を1周してみる。それだけで、ちょっとよい行いができた気がしてくるから不思議だ。
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次に案内されたのが、1636年(寛永13年)に鋳造された大鐘。遠くからその姿を眺めるだけなら普段でも可能だが、通常はその庇の中には入れない。今回は特別に、高さ約3.3m、直径約2.8m、重さ約70tの大鐘の中を覗き込める近さまで立ち入ることが許される。
この大きな鐘が鳴るのは、4月の法然上人の御忌(忌日法要)の折と、大晦日の除夜の鐘、その前の試し撞きの時だけ。除夜の鐘の前の12月27日には、「試し撞き」が行われるそうだ。「音が鳴りやすくなるように、ストーブで鐘を温めて表面をやわらかくするんです」と、河原さん。こういったエピソードを当事者から聞けるのも、特別な体験ならではといえよう。
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徳川将軍家とゆかり深い、知恩院の美
知恩院の中心堂宇、奥行約35m、間口約45m、高さ28mの荘厳な造りを誇る国宝・御影堂。その奥(西側)に立地する「大方丈」「小方丈」の拝観も、今回のイベントにおけるハイライトだ。「大方丈」で最も広い部屋、「鶴の間」を飾るのは、狩野派の絵師・狩野尚信による金碧障屏画。狩野探幽の弟だった尚信の作品はあまり後世に残っていないため、まとまって見られる機会は貴重なのだ。この「鶴の間」でちょっと一服、抹茶とお菓子をいただく。
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江戸時代初期に、徳川家康が生母・於大の方の菩提を弔うべく寺領を寄進したことから、知恩院と徳川家とのつながりが深まり、それは秀忠、家光へと引き継がれていく。将軍家の庇護を受け、「御影堂」や「大・小方丈」を含めた知恩院の伽藍が整えられていくが、たとえば大方丈の「上段の間」といわれる部屋には「武者隠しの間」が存在するなど、その建築様式には将軍家の意向も色濃く感じられる。
一方の小方丈は、大方丈とは対照的に襖には水墨画が描かれ、落ち着いた雰囲気。小堀遠州と縁のある僧・玉淵によって造られたと伝わる心字池を中心にした方丈庭園は、四季折々にさまざまな表情を見せる名庭だ。
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「御影堂」で約700人のお念仏!
さてたっぷりと知恩院の非公開エリアや見頃の紅葉を楽しんだ後、今回のメインイベントに参加すべく、御影堂へ移動する。法然上人の御影(像)が安置されている御影堂で、参加者約700人で「南無阿弥陀仏」を一斉に称えるのである。
「ただ念仏を称えるだけで救われる」という、法然上人の浄土宗の真髄に触れるのに、これほどわかりやすい体験はないだろう。慣れない手で木魚を打ちながら、「南無阿弥陀仏」を称えるうちに、心が洗われるような心地すらしてくるのだ。
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約700人の念仏のお称えが終わったのが、17時前。11月末の京都では、すっかり陽が落ちようとしている。日没とともに始まるのが、知恩院晩秋の恒例、「浄土宗総本山知恩院2022 秋のライトアップ」。通常は17時30分の開門だが、この日は開門が18時に。それまでの1時間は、今回の参加者向けの貸し切りなのだ。先ほど見学した御影堂や経蔵、大鐘楼も灯りで照らされ、幻想的な雰囲気に。普段は見物客で混み合う庭園「友禅苑」も、貸し切りのおかげで、じっくり見学することができる。
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知恩院で400年前の歴史と仏教の深淵なる世界に触れた後、この日は東山七条にある「ハイアット リージェンシー 京都」に宿泊。ダイナースクラブの会員優待を利用すれば、ベストアベイラブルレートで泊まることができ、朝食の無料提供、レイトチェックアウト(当日の空室状況による)のサービスが受けられるのだ。
夕食はホテル内のイタリアン「トラットリア セッテ」の石窯ピッツアに舌鼓を打ち(パスタの種類が多いのもよい)、朝は「カフェ33」のビュッフェ形式の朝食をゆっくりいただいて(和・洋からチョイス可能)、お腹も心も満たされる。ハイアットならではのおもてなしの心、また機能的で心地いい客室も旅の思い出に彩りを添えてくれる。
クレジットカードは、単なる支払いの手段にとどまらない。今回の「ダイナースクラブ会員限定 浄土宗総本山知恩院 貸切特別拝観」のように、その1枚が、驚くような感動の瞬間を与えてくれることもある。寒い冬を乗り越えればやってくる、2023年の芽吹きの春。次に旅に出るなら、クレジットカード会社が会員向けに展開するイベントへの参加を検討してみてはどうだろう。