A new study reveals that desert kites seen in the Arabian desert may be used as mass hunting traps by previous hunters. Know more about this study here. Read now. #Science https://t.co/XK2GF0CFRL
— ScienceTimes (@ScienceTimesCom) December 13, 2022
アラビア半島に広がるアラビア砂漠には、「砂漠の凧」と呼ばれる不思議な文様が残されている。
乾燥した大地に積まれた石の壁が連なり、まるで何かのメッセージを訴える地上絵のようでもある。形状はさまざまだが、多くは二重線で描かれたV字型をしている。ほか、円形や星形、そして矢印のような形状など、さまざまなパターンが石造りの壁によって描かれている。壁の高さは80センチほどだ。
中東を専門とする考古学ジャーナル『アラビアン・アーキオロジー・アンド・エピグラフィー』に掲載された論文によると、こうした「砂漠の凧」はサウジアラビア東部の溶岩性の岩石が多く残る砂漠地帯に点在し、実に300キロほどのエリアに分布している。
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数百匹の動物を群れごと……
その目的は長年謎に包まれていたが、最新の調査により、説得力の高い学説が誕生したようだ。これまでは儀式の場所や砦の基礎だったのではないかとも考えられてきたが、まったく異なる可能性が出てきた。
今年に入って発表された複数の論文によると「砂漠の凧」は、数百匹という大量の動物を群れごと仕留めるための巨大な罠だった可能性があるという。
フランス国立科学研究センターのレミー・クラッサード研究員らが著し、先史時代の研究誌『ジャーナル・オブ・ワールド・プレヒストリー』に掲載された論文が指摘しているほか、考古学ジャーナル『ジャーナル・オブ・アーキオロジカル・サイエンス』に掲載された別の論文も同じ内容を示唆している。
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広い開口部から追い込んだ
論文によると、人類は「砂漠の凧」の壁を利用し、野生動物の群れを奥へ奥へと追い詰めていたようだ。
この遺構にはさまざまな形式があるが、多くはV字型や、それを曲線状に歪めた形状をしている。広い開口部から群れをなかに入れ、先細りする奥の方へと追い込んでいたという。
もっとも、壁の高さは80センチと低く、動物がその気になれば簡単に飛び越えられそうだ。しかし研究チームは、動物の本能をもとに、罠が効果的に機能したと考えている。
たとえばガゼルは、かなり低い障害物でも飛び越えず、障害物に沿って走る習性がある。また、トナカイやロバも同じく、壁に沿って逃げる行動を見せる。レイヨウも同様で、意図的に誘導しない限りは低い壁を飛び越えることがない。こうしたことからチームは、80センチの壁が十分に機能していたと分析している。
さらに研究チームは、先細った壁の終端の向こう側には、内側からは見えないようにして深い穴が掘られていたとの見解を示している。細い先端部に追い詰められた動物の群れは、次々と壁を飛び越える。その先で、逃れられないほど深い穴に落ちていったようだ。
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7000年前の時を経て現代に残る遺構
イスラエルのハアレツ紙によると、このようなトラップはアラビアだけでなく、イスラエルやヨルダンでも確認されているという。先端へと追い込む「腕」の長さは、平均で400〜500メートルに及ぶようだ。
これまで発見されたうち最古のものは、約1万年前に現在のヨルダンに築かれた。そのほかのものは、主に7000年前から4000年前、後期新石器時代の人類によって築かれたと考えられている。
周到なことに、このような罠は複数が近接して設けられていることが多い。研究チームは、狩猟者たちがひとつの罠で動物を仕留め損なった際、すぐに別の罠へと誘導して捕らえていたのではないかと考えている。
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家畜化が難しい動物がターゲット
これらの奇妙な文様が最初に発見されたのは、1920年のことだった。イギリス空軍のパイロットが飛行中に発見し、「砂漠の凧だ」と叫んだことから命名された。以来、目的不明のこれらの遺構は、考古学者たちの興味を惹いてきた。
最新の説を以てしても、一部謎は残る。当時は人類はすでに、家畜を飼い慣らすことに成功していた。多大な労力をかけて石造りの壁を用意し、わざわざ狩猟を行う動機は薄かったのではないかとの指摘が出ている。
この謎に対して一部の研究者は、シカやガゼル、レイヨウなど、家畜化の難しい動物を対象に狩りをしていたとの見解を示している。
長年謎だった「砂漠の凧」だが、野生動物の狩りで威力を発揮していた可能性があるようだ。
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【画像】アラビア砂漠に広がる「砂漠の凧」 巨大文様のミステリーが解明された
A new study reveals that desert kites seen in the Arabian desert may be used as mass hunting traps by previous hunters. Know more about this study here. Read now. #Science https://t.co/XK2GF0CFRL
— ScienceTimes (@ScienceTimesCom) December 13, 2022
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The Near East proved to be studded with giant #prehistoric stone structures 'desert kites’ that amazed archaeologists when first observed by British Royal Air Force aviators in the 1920s. Now we know they were used to herd wild animals. #history https://t.co/wiPWGXyXku
— 360 on History (@360onHistory) December 9, 2022
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