サッカーW杯カタール大会で、公式に用意された宿泊施設「ファンヴィレッジ」が不評だ。
料金は日本円にして1泊207ドル(約2万8000円)ほどと高額だが、まるで避難所のようなテントに粗末なベッドが並ぶばかりだ。調度品の類いはおろか、満足なシャワーもないとして問題になっている。
USAトゥデイ紙のスポーツ・セクションは、「(ファンが宿泊施設として選べる)こうした選択肢の中に、砂漠の豪華な隠れ家として宣伝されたファンヴィレッジある。だが現実には、貯蔵用コンテナを並べた部屋とテントが、高速道路と空港の近くに設置されているだけである」と報じている。
ただでさえ物価の高いカタールにおいて、とくに大会期間中、ホテルやAirbnbの施設が提示する価格には手が出せないというサッカーファンもいる。だが、多数のファンを受け入れるべく用意されたファンヴィレッジも、期待を裏切る結果となってしまったようだ。
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外部とシート1枚で隔てられた寝室
Fans rooms in Qatar 🇶🇦 pic.twitter.com/tKpg5Z9SMl
— World Cup Updates (@wc22updates) November 15, 2022
あるTwitterユーザーは、テントが並ぶファンヴィレッジの一角を動画に収めている。夜間に撮影されたこの動画では、十分な街灯も設けられていない敷地内に、地面に直に設営された大量のテントが密集している。
W杯では簡素なコンテナを並べただけの宿泊施設も問題となっているが、こちらのテント村は通りからテントのビニール1枚を隔ててすぐに寝室となっており、プライバシーも満足に確保できそうにない。室内は粗末なシングルベッドが2台並んでいるのみだ。
ファンヴィレッジに泊まった中国からの来訪者は、施設の実態に顔を曇らせている。米CNNに対し、「宿泊室とコンテナがとてもたくさんあって、試合をみんなで観られる大きなスクリーンもありますが、宿泊施設はその……なんとも言いづらいですね」
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満足なシャワーもなく、価格ほどの価値はない
インド経済紙の『ミント』によると、このような簡素なテントが1800張も並べられているという。
室内には、扇風機1台と照明1点、そしてコンセントがあるのみだ。メキシコからはるばる観戦に来たという18歳の青年は同紙に対し、「かなり寂れています。きちんとしたシャワーもなく、トイレにホースが付いているのみです」と語っている。
1泊あたり約2万8000円という価格について青年は、「それほどの価値はないように思いますね」と率直な印象を漏らした。
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伝説級の失敗イベントを想起
あまりに粗末なテント村は、悪名高い音楽フェス「Fyre(ファイア)」の2.0版とさえ揶揄されている。
同フェスはリゾートアイランドを貸し切って行われる豪華な音楽イベントとして宣伝されながら、ずさんな運用計画によって大失敗に終わった2017年のイベントだ。
アメリカのCEOが率いる主催側は、インフルエンサーを起用した大々的なマーケティングで高額なチケットを次々と売りさばいたものの、施設の設営や出演アーティストとの調整が難航。
とくに宿泊事情は高級イベントとはほど遠く、参加者らは災害用のテントで寝泊まりすることを迫られ、食事は具材がチーズのみという粗末なサンドイッチが振る舞われた。
ことの顛末はNetflixで『FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー』としてドキュメンタリー化されている。
サッカーW杯という一大イベントを支えるファンヴィレッジだが、大量の予約者に対応できるだけの施設建設が間に合わず、Fyreさながらの不評を買ってしまったようだ。
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カタール政府は返金の意向示す
英サン紙アメリカ版によると、カタール政府は批判を受け、希望する宿泊者に対して返金対応を行う意向を示した。
同紙記者が実際に室温を測定したところ、温度は37度に達していたという。1泊2万8000円を支払って「サウナのような」灼熱の部屋への宿泊を支払われることから、苦情が相次いでいた模様だ。エアコンの能力は日中の暑さを和らげるのには足りず、夜は夜でガタガタと鳴り使い物にならないという。
同紙によると受付の列は6時間待ち以上にも達し、宿泊を諦める人々もいた。事態を受けてカタール政府は、ファンヴィレッジ宿泊者に返金対応を行い、代替の宿泊施設を手配する意向を示している。
大規模イベントにトラブルはつきものとはいえ、はるばる中東へと足を運んだ世界のファンにとって、後味の悪い思い出となってしまったようだ。
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【画像・動画】「伝説級の失敗フェス『Fyre』と同じ」カタールW杯、1泊3万でシャワーなしのテント暮らし
Fans rooms in Qatar 🇶🇦 pic.twitter.com/tKpg5Z9SMl
— World Cup Updates (@wc22updates) November 15, 2022
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The Al-Emadi fan village in Qatar is almost finished.
— ESPN FC (@ESPNFC) November 9, 2022
Rooms are still available from $207. pic.twitter.com/F9hfnc4Ue9
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VIDEO: Football fans share their thoughts on accommodation options during the World Cup, with rooms ranging from comfortable to very basic, with hefty prices forcing fans to look outside of Qatar. pic.twitter.com/4cxwySdzPI
— AFP News Agency (@AFP) November 29, 2022
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A tent in the Fan village in Qatar costs £175 ( R 3 586,76) per night. pic.twitter.com/zSrRlvokLR
— DonDon (@the_dondon01) November 20, 2022
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A first look at the World Cup fan village in Qatar 👀
— ESPN UK (@ESPNUK) November 10, 2022
Rooms start from £180 pic.twitter.com/096LiKei74
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Here's what fans can expect when they arrive to the £175-a-night Qetaifan Island fan village in Qatar 🎥⤵️#BBCFootball #BBCWorldCup pic.twitter.com/eBJ4EGVi7E
— BBC Sport (@BBCSport) November 20, 2022
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Fan village tents in Qatar for the World Cup pic.twitter.com/BfkqX3xBk4
— Kwadwo Sheldon (@kwadwosheldon) November 30, 2022
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