ラフ・シモンズが描き出す、美しい日常の風景
『シェーカーシステム』
デンマークのテキスタイルメーカー、クヴァドラと継続的にプロジェクトを発表してきたラフ・シモンズが、新作となるライフスタイルアクセサリー・コレクション「シェーカーシステム(Shaker System)」を発表した。
本コレクションでは、現代の暮らしをリセットし、一定の秩序から新しい美を創造するという考えをベースに、清貧さを追求しながら、家具や生活道具を自らの手でつくってきたシェーカー教徒の生活様式に注目。椅子や掃除道具、衣服などを、 ペグレールと呼ばれる壁掛けフックに吊るしていた彼らの風習から発想を展開していった。シンプルなバーの内側に隠されたフックと、それに吊るして収納できるキーチェーン、キャップ、トートバッグ、スロー、クッション、スリーブなどが誕生した。
彼らが目指したのは、単なる機能性や見た目の美しさの追求だけでなく、建築的な空間を演出する存在感のあるインテリア、そしてなによりも生活者が日常のなにげない行為やふるまいに意識を及ぼすこと。そのためアイテム一つひとつのフォルムやディテールとともに、素材の触感にもこだわりを見せ、艶やかさに定評があるクヴァドラのテキスタイル「ヴィダー4(Vidar4)」を中心に、なめらかに波打つカシミア、ピュアなウール、マットなレザーなどのマテリアルを厳選。カラーもバリエーション豊富な「ヴィダー4」のパレットから、代表的なオフホワイト、ピンク、グリーン、ブラックの4色を採用した。
また、新作の発表を記念して、デンマークのコペンハーゲン市内には、クヴァドラ/ラフ・シモンズ初となるコンセプトストアも登場。よりダイナミックな世界観を表現するために、店内にはラフが愛用するアクセル・エイナー・ヨースの家具も合わせて展示販売されている。
※この記事はPen 2023年1月号より再編集した記事です。