妖しさも魅力に聴こえるほど、徹底されたクリスチャン・ツィメルマンの美の世界

  • 文:小室敬幸(音楽ライター)
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【Penが選んだ、今月の音楽】
『シマノフスキ:ピアノ作品集』

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クリスチャン・ツィメルマン ユニバーサル クラシックス&ジャズ UCCG-45059 ¥3,080

9月15日、第33回高松宮殿下記念世界文化賞が発表され、映画監督ヴィム・ヴェンダースや建築家の妹島和世らが受賞したと報じられたが、音楽部門ではポーランド出身のツィメルマンが選ばれた。自らのピアノを運搬する会社まで立ち上げてしまった完璧主義者なので、新譜でもピアノという楽器で表現可能な美の世界を極限まで追求している。シマノフスキはショパンの後継者。とっつきづらいと思われがちな要素を、エキゾチックで妖しげな魅力に変換することに成功しており、ワールドミュージック好きにもお薦め。

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※この記事はPen 2022年12月号より再編集した記事です。