実母への思慕、義母への敬意、息子たちに教えられたこと......。著書『家──ごはんと野球』を書くなかで、改めて見つめ直した、「家族」のかたちとは?
食べ盛りの息子たちがいかにも好きそうな、おかず盛りだくさんの愛情弁当をつくり続け、Instagramでも話題の人気モデル・亜希。
その2人の息子たちを一人でがむしゃらに守り続けてきた彼女が、逆に子供たちに教えてもらったことは、「弱くてもいい」ということだったという。
息子たちから学んだ、弱さをさらけ出す勇気を得て、多くのものを手放して待ち、そして信じ続けてきた、彼女の8年間の記録。
読み終わる頃には、遠くに暮らす家族には電話したくなり、また、近くに住む家族には今すぐ会いに行きたくなるだろう。そんな『家──ごはんと野球』(CCCメディアハウス刊)より「はじめに」を抜粋する。
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はじめに
この本は、Instagramに綴った私の8年間の日常の記録です。それは、私がいろいろな人達から支えられ、歩んできた人生です。こう見えて、たまにいい事言ってるんです。だから、改めて読んでください。損はさせませんので。笑
そんなわけで、悩みました。本のタイトル。じゃじゃん。
【家】
うかんむりを屋根と例え、その下でそれぞれが支えあってるのが、私の「家」という文字に対するイメージです。その支えというのは、家族だったり仕事仲間だったり、Instagramのファンの皆さんだったり......。
そして、カバーの文字は、長男が10年前に書いた「家族」から1字とったものです。当時、どんな思いでそれを書いたのかと思うと、胸が締めつけられそうになりますが......。
昔あった家族としての綺麗なカタチは一度崩れてしまったけれど、この文字のように、一本多かったり傾いてたり、いびつで不気味なカタチは我が家そのものです。
そして、大学から野球を始めた長男が寮生活となり、暮らす相手が変わり、場所が変わったせいで、増えた言葉があります。
【実家】
当たり前に家にいたら使わなかった、この言葉。
「実家帰るわ......」「実家に荷物取りに行くわ......」「実家で飯食いたい......」最近耳にします。
私には、もう実家はありません。だからこそ、実家への憧れは誰よりも強いです。離れていても、拠点となる場所......。点となるところ。
昔は、子供達の心を抱きしめることが守ることだと思っていたものです。しかし、それぞれが、それぞれに成長し、今や「実家」や「家」に、私自身が元気な根っこを張っていくことが、大切なものを守ることに繋がるような気がしています。
そんな私の気持ちの変化や想いなどをコラムにし、ここに記し、ここに残し、特別な1冊にしました。
4人家族か、3人家族か、未だ不明な清原家ではありますが、きっと、カタチなんてどうでもいいんだと、少しだけ我が家を笑ってもらえたら本望です。
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『家──ごはんと野球』
亜希・著
CCCメディアハウス
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※この記事はNewsweek 日本版からの転載です。