17世紀英国の人気曲を、酒場で歌うかのように楽しげに再現

  • 文:小室敬幸(音楽ライター)
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【Penが選んだ、今月の音楽】
『ザ・プレイハウス・セッションズ』

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ビャッテ・アイケ&バロックソリステーネ 東京エムプラス PRCD1096 ¥3,143

かつてスティングが400年以上前のイギリスの楽曲を、当時のギターに相当するリュート1本の伴奏で歌ったことがあった。あの試みをさらに一歩進めたかのようなアルバムだ。17世紀、英国の居酒屋(パブ)で一般大衆からも人気のあった音楽――現代で言えばミュージカルの人気ナンバーにあたるオペラアリアやフォークソングが流しの音楽家たちによって、ときにケルト的な雰囲気を纏いながら活き活きと歌われるさまが再現される。昨今人気のプログレッシヴ・ブルーグラスの祖先のように聴こえてくるのも面白い。

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※この記事はPen 2022年12月号より再編集した記事です。