ホリデーシーズンにおけるエシカル消費トレンド イケアは生木のツリーを販売

  • 文:大津陽子
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ハロウィンが終わり、次はクリスマス迎えるこの季節。楽しいイベントが続くことになるが、クリスマスはギフトだけでも日本における市場規模約5800億円と、経済効果も大きい。

一方で、大量の食材の廃棄や、ギフトや飾りつけに関連したゴミの発生など、その負の側面も最近は取り上げられるようになっている。

オンラインショップmusicMagpieの調査では、英国の成人のほぼ10人に6人が、クリスマスシーズンにおいて、よりサステナブルな選択をするつもりだと回答している。各国でよりエシカルな側面に配慮したクリスマスギフトやデコレーションを選ぶ消費者が増えているようだ。

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45日で土に還る竹、炭、でんぷんでできたパッケージ

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45日で土に還る竹、炭、でんぷんでできた包装の固形シャンプー(https://soliducosmetics.com/product/balance/ よりスクリーンショット)

クリスマスといえば、特別なギフトの購入がまず思い浮かぶが、エシカル消費を意識する消費者が気にかけているのは、できるだけ環境負荷の高いゴミを出さないギフト、生産地に負担をかけないギフトを選ぶことだ。

たとえば、45日で土に還る竹、炭、でんぷんでできた包装の固形シャンプーといった環境に配慮したパッケージングのラトビア発コスメや、様々なフェアトレード商品を扱うローカル企業が欧州各国で次々と生まれているが、クリスマスのような特別なイベントに相応しいギフトを探すのは簡単ではない。

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Ethical Consumer(https://www.ethicalsuperstore.com/ よりスクリーンショット)

そんな時、英国では、エシカル消費という観点から、ファッションから子供のおもちゃまで多様な商品を検索して購入することができるオンラインマーケットプレイス「Ethical Superstore」が、クリスマスのギフトを探す人々の大きな手助けとなっている。

また、見知った大手ブランドからギフトを選ぶ際にも、4万を超える企業、ブランド、製品について、詳細な調査に基づいたエシカル消費という観点からの評価システムを開発し、消費者に必要な情報を提供する「Ethical Consumer」といったウェブサイトが、ギフトを購入する際の参考になる。

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IKEA、適切な廃棄処理まで含めた生木のツリーを販売

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IKEAが提供する生木のクリスマスツリー(https://www.ikea.com/jp/en/campaigns/tlp-real-christmas-tree-pub52064c30 よりスクリーンショット)

そして、ホリデーシーズンを象徴するクリスマスツリーの選択にも、プラスチックの人工ツリーと生木の天然ツリー、どちらがより環境負荷が少ないのかという特集を多くのメディアが組むようになっている。

一見、何度も使える人工ツリーのほうが良さそうに見えるが、CNNの報道によると、人工のプラスチックツリーを平均的な期間である6年間使用した場合、カーボンフットプリントが天然ツリーよりも確実に大きくなるとのことだ。また廃棄の際も、埋め立てでは分解に何百年もかかり、焼却処理では有害な化学物質を放出する可能性がある。

一方、生木のツリーは、幹の根元のカット、毎日の水の状態の確認と補給、室内温度の管理や落葉の掃除など、手入れの大変さはあるものの、成長過程(平均7年)で空気中の二酸化炭素を吸収するという利点がある他、適切に廃棄されれば、プラスチックより早く分解される。

しかし、生木は埋め立てられた場合、二酸化炭素の約80倍もの温室効果ガスであるメタンの排出の一因となることから、適切な廃棄処理がなされることが重要だ。

プラスチックツリーが主流の日本においても、IKEAが本物のもみの木の販売を始めている。クリスマス後にもみの木と購入証明書をIKEAストアに返送することで、IKEAが責任を持って環境に配慮した方法で再利用するとしている(ただし、昨年は「COVID-19が世界のサプライチェーンに与えた業界全体の影響」による品不足のため、一時販売を停止する国・地域も出ていた)。

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近隣の森から自分でツリーを切ってくるアプリも登場

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自分で木を切り持ち帰れるアプリ(https://www.rmk.ee/christmastree よりスクリーンショット)

クリスマスツリーについては、欧州でさらにユニークな取り組みがある。

国土の57.04%が森に覆われた北ヨーロッパのエストニアでは、都市部に住んでいても森は身近な存在だ。そんなエストニアで、国有林の中から電線の下など、これ以上育たない木の検索と購入ができるモバイルアプリを、2008年に国営林業会社が立ち上げた。

木の価格は高さによって決まり、自分で森に入って木を切り持ち帰る手間はあるものの、1メートルなら3ユーロ(約450円)、1〜2メートルなら8ユーロ(約1200円)と格安だ。支払いは木を切る際に専用の電話番号を通じて電話料金から支払うか、オンラインバンキングで振り込む。

イベント向けに20メートルを超える高さの木も選択肢にある他、クリスマスツリーリース用の枝を調達することも、森林に害を与えない限り許されている。

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エシカル消費というと様々な制約をイメージさせる側面も否定できないが、ホリデーシーズンにおいては、部屋に漂う生木の香りや、これまで知らなかったこだわりの商品を生産するローカル企業の発見といった楽しさをもたらしてくれるものと言えるかもしれない。

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Photo Gallery

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45日で土に還る竹、炭、でんぷんでできた包装の固形シャンプー(https://soliducosmetics.com/product/balance/ よりスクリーンショット)

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Ethical Consumer(https://www.ethicalsuperstore.com/ よりスクリーンショット)

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IKEAが提供する生木のクリスマスツリー(https://www.ikea.com/jp/en/campaigns/tlp-real-christmas-tree-pub52064c30 よりスクリーンショット)

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自分で木を切り持ち帰れるアプリ(https://www.rmk.ee/christmastree よりスクリーンショット)

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