「次男は辛いよ…」ゆれるイギリス&デンマーク王室の共通点とは?

  • 文:宮田華子
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@detdanskekongehus & @sussexroyal – instagramのキャプチャ画像

9月にエリザベス女王の葬儀に出席するため、久しぶりにイギリスに帰国したハリー王子&メーガン妃。


兄弟夫婦による「4人ショット」も久々。

兄弟の不仲説、ハリー王子の回顧録(暴露本?)出版契約等と何かとお騒がせな夫婦だが、王室内が揺れているのはイギリスだけではない。デンマーク王室も、マルグレーテ女王が「ある決断」をしたことで激震が走っている。

イギリスのタブロイド紙『Express』オンライン版は、この2つの王室の「次男の妻」であるメーガン妃(イギリス)とマリー妃(ヨアキム王子の妻、デンマーク)の共通点を指摘。他にも「2夫妻の類似点」を取り上げる媒体は多く、現在この2夫妻が世界の王室ゴシップをリードしていると言っても過言ではないほどだ。

そこでメディア報道から見えてくる、2つの王室、次男プリンス夫妻の「3つの共通点」を下記に紹介する。

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共通点その1:「称号問題」なぜ自分の子どもたちが「王子」「王女」ではない? 

■イギリスの場合
ハリー王子とメーガン妃に長男アーチーが誕生したとき、「王子」の称号が与えられなかった。これは1917年、国王ジョージ5世が定めた「国王の“孫”までが、王室の称号を持つ」とする法令に準じたものだ。つまり当時女王の「ひ孫」であったアーチーは「王子の称号」を自動的に得ることはなかった。


ハリー王子&メーガン妃の家族ポートレート。

しかし同じ「ひ孫」でもウィリアム王子・キャサリン妃の3人の子どもたちには「王子」「王女」の称号が与えられた。これは故エリザベス女王が2012年に特許状を出し、この夫妻の子どもたちには全員「王子」「王女」の称号を持つことができるとしたからだ。

アーチーが「王子」とならなかったことに対し、誕生当初は「普通の子どもとして育てたい」というハリー王子&メーガン妃夫妻の意向の表れでは?という報道もあった。しかし2021年3月に行われたオープラ・ウィンフリーによる夫妻へのインタビューで、メーガン妃は「称号がないことで、子どもたちへの安全が脅かされる」と発言。本当は称号を望んでいたことが判明した。

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アーチーお披露目時の写真。エリザベス女王、フィリップ殿下、メーガン妃の母・ドリア・ラドランさんと共に、仲睦まじそうに写っているが…。@ITVNews - YouTubeチャンネルのキャプチャ画像

エリザベス女王の死去に伴い、ハリー王子&メーガン妃の2人の子どもたち(アーチーとリリベット)は「国王の孫」となった。これにより「王子」「王女」の称号が与えられる可能性がでてきたが、まだイギリス王室は正式発表をしていない。『SUN』紙によると、夫妻は子どもたちに(「王子」「王女」の称号を与えられた場合でも)「HRH(殿下)」の敬称は与えられないことにも激怒しているらしい。

■デンマークの場合
マルグレーテ女王には2人の息子、フレデリック王太子とヨアキム王子がいる。10年前まで、デンマーク王室のメンバーは18歳になると政府から歳費が支払われていた。この制度に対し国民の批判が高まったことを受け、2012年、デンマーク王室は「女王の8人の孫の内、政府から歳費を受け取るのは王太子の長男・クリスチャン王子のみ」と発表。王室のスリム化を図った例として好意的に受け止められた。


ファッショニスタとしても知られるデンマーク女王・マルグレーテ2世。

そして今年9月28日、マルグレーテ女王はさらに大胆な決断をした。2023年1月1日から、次男・ヨアキム王子の4人の子供たちから「王子」「王女」の称号をはく奪することを発表したのだ。

『People』誌によると、ヨアキム王子とマリー妃がこの決定を知らされたのは発表5日前。発表後、夫妻はメディアへの取材の応じ、ショックを明らかにした。

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ヨアキム王子&マリー妃夫妻と子供たち。左からヨアヒム王子、マリー妃、アテナ王女(現在10歳)、フェリックス王子(現在20歳)、ヘンリック王子(現在13歳)、ニコライ王子(現在23歳)。@entertainmenttonight - YouTubeチャンネルのキャプチャ画像

ヨアキム王子はデンマークのタブロイド紙『Ekstra Bladet』に「とても悲しく思っています。子どもたちがこのような扱いを受けるのを見るのは愉快なことではありません」と語った。マリー妃もニュースメディア『BT』に「子どもたちが世間のさらし者になっています。しかも(決定は)直前になるまで知りませんでした。私達は親として、大きな変化と人々の反応から子どもたち(を守るための)準備の時間がなかったのです」と語っており、子どもたちから称号がはく奪される決定に賛同していないことは明白だ。

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