コロナ禍で観光客が減少する一方で、実はホテルのオープンラッシュに沸いている京都の街。それぞれが独自のスタイルを打ち出すなか、特に注目したいのが建築と美食だ。今回は、嵐山の麓、渡月橋の目の前に位置するラグジュアリーホテル「MUNI KYOTO（ムニ キョウト）」を紹介する。

そして、記事の最後にはこちらのホテルの宿泊券のプレゼント企画もご用意。心地よいおもてなしが待つホテルステイを、この機会にぜひ体験してみてほしい。

四季折々の表情を見せる雄大な山々と、悠然と流れる桂川の流れ。平安時代には貴族の別荘地として愛され、和歌にも数多く詠まれた京都屈指の景勝地、嵐山。その風光明媚な景色を堪能するなら「MUNI KYOTO」の滞在がお薦めだ。

「MUNI KYOTO」は嵐山のシンボル、渡月橋に臨む桂川沿いに立つホテル。ホテルにいながらにして嵐山の絶景をすぐそばに楽しめるだけでなく、その風景と呼応するような建築とランドスケープデザインが魅力だ。設計を手がけたのはポーラ美術館で日本建築学会賞を受賞した安田幸一。隣接する福田美術館も同じく安田の設計で、外装や屋根の材料・勾配を揃えて連続性をもたせている。嵐山のチャート層をモチーフにしたランドスケープデザインは「ランドスケープ・プラス」の平賀達也が担当した。

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エントランスを入った正面には陶芸家・安藤雅信による水琴窟、ロビーには稲田宗哉が揮毫（きごう）した『無二』の扁額を設置。「B&B Italia」のソファやイスの洗練されたデザインがミニマルな空間を凛と引き立てている。禅寺の枯山水庭園を思わせるような中庭「白の庭」を眺めつつ客室へと向かう。

客室は全21室で、1階の「ガーデンテラス」、2階の「リバービュー」「マウンテンビュー」、2・3階の「メゾネット」という4タイプ。「メゾネット」の2室以外は、桂川沿いに面していて、テラスに出れば雄大な自然を間近に感じることができる。部屋の前の主庭「黒の庭」は嵐山のチャート層をモチーフに取り入れ、堰（せき）の上流と下流で動きの異なる桂川の流れを模したもの。周囲の景観をホテル内に取り込んだダイナミックなデザインだ。

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宿泊した「リバービュー」は渡月橋や桂川の流れを眺められる人気の高い部屋。インテリアデザインのコンセプトは「間と余白」とあって、木と白を基調とした空間はごくごくミニマルでシンプル。そこにベッド側はイタリアの漆喰、テレビ側は日本の漆喰で仕上げた壁面デザイン、「B&B Italia」のソファ、デンマーク最高峰のテキスタイルブランド「クヴァドラ」のレースカーテンなどを配置し、繊細に全体を調和させている。その柔らかなトーンは、身を浸すほどに心が安らぐばかりでなく、大開口の窓から眺める景色をいっそうドラマティックに引き立てるという役割も。

そして、驚いたのが窓の防音性の高さ。窓を開けると川の流れる音を大きく感じるけれど、窓を閉めればすっと静かに。レースカーテンも柔らかく外と内をつなぎ、開放感と安堵感を同時にもたらしてくれる。ほかにも、スライド式の引き戸の中に集約したクローゼットやミニバー、開放感や眺めを大切にするためガラス張りにしたバスルームなど、部屋の隅々まで心を尽くして仕上げられていて居心地がいい。

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部屋でゆったりと寛いだら、滞在のハイライトとも言えるディナーへ。「MUNI ALAIN DUCASSE」はフランス料理界の巨匠、アラン・デュカスが設立したデュカス・パリによるレストラン。地下に広がる優雅な空間に、アラン・デュカスのコレクションであるオールドバカラや銀器がディスプレイされ、マルク・シャガールの傑作が圧倒的な存在感を放っている。

ここでいただけるのは、地元京都をはじめ日本各地から厳選した食材を使った至極のコンテンポラリーフレンチ。季節の貝にキャビアをたっぷりのせた冷菜、包み焼きでしっとり焼き上げた京丹波の平井牛など、素材の旨みを力強く感じさせる料理が続く。メインディッシュの後は、最高級チーズの製造家であるムッシュ・アントニーのチーズセレクション、デザート、カットフルーツ、「ル・ショコラ・アラン・デュカス」のショコラを使ったデザートまで供される本格的なフルコース。ソムリエが厳選した銘醸ワインや、メートル・ドテルの洗練されたサービスと相まって、なんとも夢見心地のひと時に。京都では数少ないガストロノミーレストランで、特別な記念日やお祝いにおしゃれをして出かけるのにもぴったりだ。

翌朝は、デュカス・パリが展開するもうひとつのレストラン「MUNI LA TERRASSE」で朝食を。フレッシュなフルーツやサラダが付き、メインが選べるコース「LE CONTINENTAL」や、アラカルトメニューが揃う。清々しい朝の空気の中、桂川の流れを眺めながらの朝食を楽しめる。

また、さらなる癒しを求めるなら、ぜひ「MUNI SPA」へ。国産精油を使用したスパブランド「ALL THAT SPA」が開発した、水尾の柚子、北山杉など京都産の素材を用いたオリジナルプロダクトを使ったトリートメント、関西地区のホテルでは初導入となるスイス「VALMONT」の最新エイジングケアなどが受けられる。

ホテル名はコンセプトである「唯一無二の景色」に由来し、ホテルが誇る「唯一無二のロケーション」と、ここで過ごす空間や時間、体験がもたらす「唯一無二のシーン」で、特別な滞在にしてほしいという思いが込められたもの。次の京都旅行は、このホテルを目的にしてはいかがだろうか。