「女性はスカート、男性はパンツ」のように、性別の枠にあてはめた概念にとらわれることなく、さまざまな価値観を認めるカルチャーが育ってきている今。航空会社では、性別を問わず好きな制服を自由にチョイスできるなど、「ジェンダーニュートラル」な考えを採用するケースが増えている。
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英ヴァージン・アトランティック航空
イギリスを拠点とするヴァージン・アトランティック航空では2022年9月、これまで男女別に用意されていた制服を、従業員が自身の性別を問わず自由に好きなものを選べるようにポリシーを変更した。
同社ではヴィヴィアン・ウエストウッドがデザインした、赤色とワインレッドの制服、2種類が使われているが、希望する方を選べるという。また「She/her」「He/him」など、自分が読んでほしい代名詞のバッジも導入され、希望する従業員は、胸にそのバッジをつけることができる。
同社では2019年、CAの化粧の有無を問わず、パンツ、フラットシューズを着用できるようにするなど、乗務員の選択肢を広げてきた。それにより、男性のCAでもメイクして仕事できるようになっていた。
今回は、それらの取り組みをさらに拡大するものだ。また乗客に対しても、男性と女性以外の性別である「X」や「U」を表記したパスポートを持っている人に、予約時にもそれらの性別コードを使えるようにチケットシステムをアップデート。従業員も乗客も、ジェンダーの垣根を越えて快適に飛行機を利用できるよう配慮された。
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米アラスカ航空
ヴァージン・アトランティック航空よりも一足先にジェンダーニュートラルなユニフォームのポリシーを発表したのが、米アラスカ航空だ。
同社では2022年4月、男女別に着用が義務付けられてきた制服の規定を刷新し、性別に関係なく好きなユニフォームを選択できるようになった。この動きは、「会社の制服に関するポリシーが、ノンバイナリーを差別している」と、声を上げた従業員がいたことがきっかけだ。そこで、性別にとらわれない新しい制服を開発し、CAにはマニキュア、メイク、ピアス(片耳2個)、鼻ピアス、タトゥーが認められるようになった。またヴァージン・アトランティック航空と同様に、「He/Him」「They/Them」などの代名詞バッチも導入されている。
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韓国エアロK
韓国のLCCであるエアロKも2020年から、同じようなジェンダーニュートラルな制服を導入している。
制服は機能性、実用性を追求したもので、見るからに動きやすく快適な着心地とうかがえる。さらに、男性も女性も、足元はスニーカーを着用しているところが新しい。靴下には「Safety First(安全第一)」の文字が見え、客室乗務員は乗客の安全を守る保安要員であるというメッセージも伝わってくる。
「女性はスカートにヒールを履き、きれいにメイクして乗客をもてなすもの」というイメージは、これまで社会で無意識に作り上げられてきた固定概念だったのかもしれない。着る服もヘアスタイル・メイクも、すべてが自分自身を表現するツールのひとつ。そんな多様性を広く認められる社会がますます求められているようだ。
【出典】
https://corporate.virginatlantic.com/gb/en/media/press-releases/virgin-atlantic-updates-gender-identity-policy.html
https://news.alaskaair.com/diversity-equity-and-inclusion/alaska-airlines-gender-neutral-uniforms-pronouns/
https://thesmartlocal.com/korea/aero-k-crew-uniforms/
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