まるで『アイアンマン』...空飛ぶジェットスーツ、クイーン・エリザベスから発進の新動画が公開

  • 文:青葉やまと
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両腕に装着した噴射口から高圧の空気を放ち、ふわりと空中を飛行する——。まるでマーベル映画『アイアンマン』のワンシーンのような光景が、現実世界のニューヨークの港で展開された。

スーツを開発したグラビティー・インダストリーズ社が、この飛行の様子を収めた動画を公開している。

映像ではイギリス海軍の空母「クイーン・エリザベス」に横付けされたバージ(浮き台)から、ジェットスーツを装着した兵士2人がふわりと浮き上がる。

それぞれリュックサック型の装置本体を背負っており、そこに内蔵されたエンジンが高圧のエアーを生み出すようだ。これを両腕に装着したノズルから噴射することで、人間が空を飛ぶことが可能となった。

なお、クイーン・エリザベスはイギリスの空母だが、2日間に渡る英米防衛会議の会場として使用するため、9月25日からニューヨーク港に停泊していた。

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時速100キロ以上での飛行も

ジェットスーツによる飛行は、実に軽やかだ。米ニューヨーク・ポスト紙は、スーツは最大で時速85マイル(時速約137キロ)に達し、10分以上滞空することができると報じている。

動画では、バージ上で空中に浮上した2人がそのまま身体を前方に傾け、海上での飛行へと移行している。かなりの速度を出し、水面に波紋を残しながら突き進み、駆けつけたメディアや見物客たちの注目の的となったようだ。

停止や急旋回も得意としているようだ。リポーターの乗った小型船まで接近すると空中で方向転換し、元のバージへと戻っている。

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小型のバックパックに詰まった、自動車数台分の馬力

スーツを着た人間が適切に姿勢を制御することで、「しばしば現実世界のアイアンマンとも比喩されるような、極めてわくわくさせ人を魅了するような光景を生み出す」ことが可能だとグラビティー・インダストリーズ社は説明している。

同社によると、スーツは1000英馬力を超えるエンジンを搭載しているという。少なく見積もっても自動車4〜5台分に相当する強力な出力だ。

英BBCは、同社がこれまで海軍司令部と連携し、ジェットスーツの可能性を探ってきたと説明している。兵士がジェットスーツを装着することで、船から海岸へと容易に上陸したり、不審な船舶へと乗り込んだりする運用が想定されているようだ。

同社のリチャード・ブラウニングCEOは、もともとイギリス海兵隊の予備役でもあったという。今年4月にはオランダ海軍の特殊部隊がスーツを訓練に導入するなど、各国の軍隊でテスト導入の機運が高まっている。

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エンジニアリングで人間の限界に挑む

ブラウニング氏はスーツの開発を通じ、一般に信じられている人間の限界に挑みたいと考えているようだ。

氏は、「私はチームと共に、グラビティー社を世界レベルの航空エンジニアリング企業に育て上げると共に、現在考えられている人間の飛行の限界に抗い、『もしも』を追求する世代を刺激するようなビジョンを届けようとしています」と語る。

今日これほどに普及している自動車でさえ、18世紀までは空想上の存在だった。ジェットパックの普及が進めば、個人が自由に空を舞う時代がいつか来るのかもしれない。

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【動画・画像】まるで『アイアンマン』...空飛ぶジェットスーツ、クイーン・エリザベスから発進の新動画が公開

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Gravity Industries-YouTube

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