2022年、『おそ松くん』と『ひみつのアッコちゃん』が発表から60周年を迎えた。そんな名作漫画の数々を生み出した赤塚不二夫のプロダクション、フジオプロ旧社屋が取り壊されることが決まり、特別展が11月20日まで開催されている。1978年に鉄骨造の地上3階建てで建てられ、改装増築を繰り返してきた旧社屋。赤塚の娘で、代表取締役社長を務める赤塚りえ子は、旧社屋取り壊しまでの経緯をこう話す。
「数年前から謎の雨漏りに悩まされるようになったので、以前父が住んでいた土地に事務所機能を移したんですよ。でもこの建物を取り壊そうとなると、色々と作品が生まれた場所でもあるし、関わってくださった皆さんの思いもあるので、なかなか決心がつかなくて、かといって放置しておくわけにもいきませんよね。そこでうちのスタッフとも話して、『じゃあ展覧会をしよう』と。赤塚不二夫らしい、みんなに来てもらえるような、楽しい人たちに関わってもらって愛情こもった展覧会にできないかと話が膨らんで、取り壊す前にそうやって賑やかにできたら、フジオプロらしいよねと盛り上がったんです」
1階には、赤塚不二夫と一緒に仕事をしたことのあるアーティストの数々が出品作家として名を連ねる。EYE、浅野忠信、安斎肇、伊藤桂司、宇川直宏、川口貴弘、黒田征太郎、五木田智央、しりあがり寿、高橋キンタロー、タケヤマノリヤ、田名網敬一、タナカカツキ、中野裕介/パラモデル、野上眞宏、みうらじゅん(五十音順)ら錚々たる面々だ。それぞれが赤塚不二夫のスピリットを作品に昇華し、旧社屋の最後の祭りに華を添えている。
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そして2階は、赤塚は仕事をすることもあったようだが、おもにみんなで宴会をするなど楽しむ場所だったので、遊んでいる様子を中心にプライベートな写真で埋め尽くされている。奥の部屋には、赤塚りえ子が父親の位牌をモチーフに、「普通は表が戒名で裏が俗名ですが、それを回転させることで両方とも境目なくあるような」意図を込めて制作した『ないがあるのだ!』を展示した。
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3階に上がると、フジオプロの仕事の側面を一覧できる展示を楽しめる。かつてフジオプロでアシスタントとして働いた北見けんいち(『釣りバカ日誌』作者)や古谷三敏(『ダメおやじ』作者)らによる作品、仕事中の写真、そしてもちろん、赤塚不二夫の原画が展示されている。
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友人である石ノ森章太郎の自宅に瞑想部屋があることに触発され、1990年代に瞑想部屋を作った。しかし、赤塚は30分も経たずに「つッまんないよ!」と出てきてしまい、それ以来一度も使われることなく、最終的には倉庫に。その旧瞑想部屋では、Kazが『天才バカボン』から選んだ画像とミラーボールを用いてインスタレーションを制作した。
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赤塚不二夫と仲間たちの温もりが感じられると同時に、次の世代へのインスピレーションで溢れたこの展示。反響が大きく会期の延長が決まり、11月3日から20日分の鑑賞チケットが10月17日より販売開始されることになった。お見逃しなく!
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フジオプロ旧社屋をこわすのだ!!展「ねぇ、何しに来たの?」
開催期間:2022年9月29日(木)〜11月20日(日)
開催場所:フジオプロ旧社屋
東京都新宿区中落合1-3-15
問い合わせ:toiawase@kowasunoda.com
開館時間:11時/13時/15時/17時(19時閉館)
※1日4回、各回2時間まで、各回20名までの予約入替性
休館日:月・火・水
入館料:¥500
※小学生以下無料
※2階より靴を脱いでの観覧となるため、靴下着用での来場を推奨
https://kowasunoda.com
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