「ポーズ」は、ポーランドのデザイナー、カロリナ・クルシェフスカ(Karolina Kruszewska)氏が、性教育者ダグノン・コクル博士(Dr. Dagną Kocur)と共同で製作した、視覚障害者向けの性教育セットだ。
このプロジェクトは、ポーランド南部にあるカトヴィツェ美術アカデミー(Academy of Fine Arts in Katowice)における、クルシェフスカ氏の修士論文プロジェクトの一環だ。視覚障害者の助けとなるよう、セックスの体位と、解剖学的な特徴の識別に関する幅広い知識を提供している。
こうした情報は、YouTube上の音声動画13編と、3Dプリンターで製作された複数のフィギュアとして公開された。フィギュアは、5つの基本的なセックスの体位を模している。
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視覚障害のある人にとって、性教育をより身近なものに
デザイナーのクルシェフスカ氏は、こう記している。「『ポーズ』は、主に個人の使用者、性教育者、団体に向けたものです。プロジェクトの主な目的は、目の不自由な人たちが知識を得られるようにすることです。ですから、説明をYouTubeに記録して、誰でも視聴できるようにしました。ポーランドには今のところ、視覚障害者を対象にした性教育のための製品はありません。つまりこれは、この話題が驚くほどおろそかにされているヨーロッパでは、画期的なプロジェクトなのです。説明文は、性教育者のダグノン・コクル博士と共に書き直しました。より詳しく、視覚以外の感覚を使うことに注意を払っています。それは、知覚に障害をもつ人たちを除外しないためです」
第二の目的は、3Dプリンターで製作されたそれぞれのフィギュアの外観を描写することだ。そのためにクルシェフスカ氏は、フィギュアが表現する体位を、目の不自由な人が「知覚」するのに最も近道とされる、特徴を触知できる点字を取り入れた。
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利用者が体位の「読み取り」を最も効果的に行えるように、クルシェフスカ氏は、特定の解剖学的部位を拡大・縮小する必要があった。
「目の不自由な人が、可能な限り最善の方法で体位を読み取れるように、くぼみや突起は大きく、また、例えば手や足などのいくつかの部位は単純化する必要がありました。フィギュアのさらなる利点は、美しさです。見た目ではなく、手触りの美しさです! フィギュアはなめらかで硬く、丸みを帯びていて、それゆえにいっそう雄弁で美しいのです」と彼女は説明する。
フィギュアには、それを安定させる台座が付属している。台座にはそれぞれ点字で説明が印字されており、該当する体位の音声解説にリンクしたQRコードがついている。
YouTube動画は、単体でも役立つが、クルシェフスカ氏は利用者に向けて、フィギュアを触りながら説明を聴くことを奨励している。動画一式はこちらから視聴可能。
クルシェフスカ氏は、プロジェクトのすべての段階で視覚障害者や性教育者の協力を得た。このプロジェクトは、2022年の欧州製品デザイン賞(European Product Design Award)の教育・エイズ啓蒙カテゴリー(Education/Teaching Aids category)で、最優秀デザイン賞(Top design winner)に選ばれた。
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【画像】視覚障害者向けの性教育セット:3Dプリンター製のフィギュアとYoutube動画
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プロジェクト情報:
作品名:ポーズ
デザイン:カロリナ・クルシェフスカ
協力者:ダグノン・コクル博士
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※この記事はdesignboomからの提供です。