オリジナルで撮影する記事づくりでは、撮り終えてからの写真選びがまた一苦労する作業です。
ファッションを伝える企画なら、服がしっかり見えていることが優先されます。
人物の取材企画なら、人の個性や魅力が表れているかが優先されます。
制作側が良いと感じることと、見てくださる人(読者)の満足度との最適なバランスを狙うんです。
その作業が複雑になるのは、上に挙げた2点(ファッションと人物)が入り混じるとき。
先日ペンオンラインで公開された、
【ラフな服装でこそ高品位なストールを!大人カジュアルの達人、西野大士による着こなし指南】
もそのケース。
お洒落センスと人柄のよさでファッション関係者に愛される西野大士さんが私服でコーデする企画です。
何種類も写真掲載しているうち、1カットの写真選びに迷いました。
それが以下の2点です。
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結局記事で採用したのは、Ver.1のほうです。
理由は、「着こなし指南」という「教えます」企画だから優しいニュアンスのほうがいいだろう、という考え。
Ver.2だと西野さんの人柄を知る人には「意外なクールさ」が感じられても、そうでない一般読者には印象がよくないかもしれないとの懸念がありました。
そこでVer.2は自主的にボツ。
(今回わたしは、撮影+編集兼任)
自分の記事を自分で撮ることのメリットのひとつは、選んだ写真を平気でボツにできる点です。
撮影者になんの遠慮も気遣いもいらず。
入念にレタッチして完成させてから、「ボツ!」と心で叫んでハードディスクの奥にしまい込む。
Ver.2は光(ストロボ)の当て方も変えてます。
後ろに深い影が出て、人物と服の陰影も少し硬め。
メリハリがあり、くっきり度はVer. 1より上。
わずかな違いにすぎなくても、
「どっちがイイんだろ!?」
と迷うんです。
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それでもネットは紙媒体(雑誌)と異なり、写真点数を多く載せやすいメディア。
ばっさり削るストレスがないのは、わたしの性に合ってます。
たいていの商業フォトグラファーは、バリエーションを多く撮るのを嫌がるもの。
(同じ収入ならシャッター押す数が少ないほうが仕事効率がいい)
一方でわたしは編集者発想ですから、あとで選択肢の幅を広げられるようにたくさん撮ります。
(数撃ちゃ当たる、のもあり)
写真のみの仕事依頼でも、相手と時間が許す限りそうします。
今回の記事では1点だけ、西野さんが満面笑顔の写真を入れました。
「ふだんの彼の印象を感じてもらえたら」、という思いで。
(記事最後の旅行スナップも笑顔をチョイス)
西野さん自身は「お任せします」な、製作者の意向を尊重してくれる人。
服の趣味が近い者同士は、互いの呼吸が合いやすいもの。
これからもリスペクトしてる人たちを撮っていきます!
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All photos&text©KAZUSHI
KAZUSHI instagram
www.instagram.com/kazushikazu/?hl=ja
ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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