情熱を意味する赤に対して、青は知性、才能、冷静沈着、若さなどを感じさせるといわれる。オーデマ ピゲから登場した初のオールブルーセラミックモデル「ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー」は、さらに神秘的=ミステリアスという言葉を追加すべきかもしれない。
色むらのまったくないピュアなブルーセラミックを、複雑な構造のケースとブレスレットに採用。「ロイヤル オーク」特有のグランドタペストリーのダイヤルと4つのサブダイヤルも、PVD(蒸着)によるエレクトリックブルーで統一しており、澄み渡った深い湖の水中を覗き込んだような異次元感覚に引き込まれてしまう。
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熟練職人の手技で宝飾に変貌
このブルーセラミックは、酸化ジルコニウムの粉末を原料としており、約1400度の高温で焼結後に最終的な色彩が出現する。この段階で均質なブルーにするのが難題であり、マニュファクチュールの独自ノウハウということになる。その後も、熟練職人の手技でマットなサテンブラッシュと艶ありのポリッシュに磨き分けられていく。それによって厚さ9.5㎜のスリムなケースとブレスレットに絶妙な立体感が生まれ、美麗な宝飾に変貌するのである。
ダイヤルには日付、曜日、月と閏年表示に加えて、月齢を教えてくれるムーンフェイズのサブダイヤルが同じ大きさでバランス良く配置されている。それだけでなく、外周のフランジ(見返し)に週番号の目盛りがあり、一見すると秒針に間違えそうな三角のトップをもつ針が、年初から第何週目にあたるかを示す。まだ日本では一般的ではないが、ヨーロッパではプロジェクトや納期の管理などに日常的に使われているカレンダーだ。週は月と日の間隔を埋める便利な時間単位なので、これから普及していく可能性があるかもしれない。
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老舗ブランドのレガシーが凝縮された永久カレンダー
さらに、毎月末はもちろん、4年に1度の閏年も日付を自動送りしてくれる高度で複雑な永久カレンダー機構を搭載している。時計が正しく動き続けている限り、閏年の例外年となる2100年まで修正は一切不要。この永久カレンダー機構に、硬度が極めて高いセラミックは最適な素材といえるだろう。傷がつきにくく、色艶が永続するので、特に外装に手をかけなくても世代を超えて同じ状態で愛用できるからだ。
ムーブメントは自社製自動巻き「キャリバー5134」を搭載。わずか4.3㎜の厚さの中に、オーデマ ピゲによる複雑な永久カレンダー機構のレガシーが凝縮されており、高精度で安定したメカニズムを誇る。
前述したように、このモデルに週番号のポインターはあっても、秒針はない。もちろん時計内部でムーブメントは拍動を続けているが、蓄光処理を施したホワイトゴールド製の時分針が、視覚的に静謐な中で少しずつ確実に進んでいく。秒を細かく刻み、時には追い立てられるような慌ただしさは、過去から未来へと向かう悠久の時の流れには似合わないのである。
問い合わせ先/オーデマ ピゲ ジャパン TEL:03-6830-0000
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