月面を歩く疑似体験も!巨大“月型リゾート”が誕生か

  • 文:山川真智子
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アポロ11号による史上初の有人月面着陸が達成されたのは1969年。それから50年超を経た今、民間人による月旅行が計画され、近い将来、月は誰もが行くことができる場所になると期待されている。そんな時代が来る前に、この地球上に月そっくりの巨大リゾートを建設しようという企業が現れた。中東のドバイが候補地として上げられており、2027年の開業を目指している。

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見た目はまさに月。中は複合型高級リゾート

このリゾートは、カナダを拠点とするムーン・ワールド・リゾート社が提案しているもの。CNNによれば、同社はリアルなクレーターや月面の感触を備えた球体のドーム型ホテルを、世界各地に複数建設する計画だ。場所によって規模は異なるが、高さ220メートル、周囲620メートルほどの月を再現する予定だという。同社の共同創設者、マイケル・R・ヘンダーソン氏は、月をテーマに選んだ理由として、世界中の人々に知られ、誰もが愛でる「認知度の高いブランド」であることを上げている。

「ムーン」と呼ばれるリゾート内には、コンベンションセンター、レストラン、スパ、ショッピングエリアなどが設けられ、それぞれに月を感じられる工夫が施されるという。非常に豪華で現代的、かつ完全に統合されたリゾート施設が目標ということだ。

アーキテクチュラル・ダイジェスト誌(AD)によれば、ホテルの一番の目玉は、宇宙探検の感覚を直接体験できる月面のシミュレーションだという。ヘンダーソン氏は、地球上の何百万人もの愛好家が待っていた、手頃で本格的な宇宙旅行体験を提供したいと述べる。さらには、「ムーン」をさまざまな宇宙機関の訓練施設として利用することも考えているという。

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第1号はドバイに?巨額の建設費が出せる企業募集中

ヘンダーソン氏は、長期的に北米、ヨーロッパ、中東・北アフリカ、アジアにそれぞれ一つずつ、4つの「ムーン」を建設することが目標だとCNNに述べる。もっとも、ムーン・ワールド・リゾート社自体はライセンス会社なので、計画の実現には資金力のあるライセンシー(権利利用の認可を受ける側)が必要だ。現在のところ、観光客に人気があり、多くのインフラプロジェクトが存在するという理由で、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイを最有力候補と見ているという。

しかし現実的にライセンシーになれるのは、50億ドル(約7240億円)の建設資金を提供できるグローバルかつ先進的な大手企業のみだ。高額であることは間違いないが、宇宙旅行への関心の高まりが、今回のプロジェクトの価値を証明していると同氏はADに述べている。

CNNによれば、民間のヴァージン・ギャラクティック社が現在販売する宇宙旅行の代金は45万ドル(約6500万円)と高額で、当面はほとんどの人にとって参加のハードルは高い。これに比べて、「ムーン」の月面歩行体験は500ドル(約7万2000円)ほどと、かなりお手頃だ。さらに、利用せずとも眺めるためだけにムーンを訪れる観光客も増えるはずだとし、ヘンダーソン氏は投資を呼び掛けている。

同氏は2022年末までに最初のライセンシーを確保し、2027年には1つ目のリゾートを開業したいとしている。実現すれば、夜空に輝くリアルな月と巨大な「ムーン」をバックにした自撮り写真が、ソーシャルメディアを賑わすことになりそうだ。

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【画像】月面を歩く疑似体験も!巨大月型リゾートが誕生か

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