2015年に初号機が誕生して20年に最新モデル「DP3」が発売された、UCC上島珈琲のカプセル式コーヒー抽出マシン「DRIP POD(ドリップポッド)」。
適温のお湯を注いで蒸らしドリップする、一般的なコーヒーの淹れ方をマシンが自動制御でやるものです。
ネスプレッソに代表される圧力式抽出とは別モノ。
フィルタと粉がセットになったカプセルは種類が多く、カプセルを使わず別の粉でのマシン抽出も可能。
味の濃さを変えられる自由度の高さ、お茶も煎れられる応用力、一杯約78円のリーズナブルな価格、大手UCCならではの味といったこだわりが詰まったマシンなのです。
このドリップポッドがPR目的のカフェイベントを渋谷「レイヤードミヤシタパーク」で行いました。
終了間際のタイミングでお招きいただき、興味津々で足を運びました。
「最新のお手軽コーヒーは、どんな味に進化したのだろう?」と。
ここでわたしのコーヒーとの関わりをお話しときましょう。
マシンの評価基準のご参考になるように。
ライター(及びフォトグラファー)としての仕事対象の軸はファッション分野なのですが、サードウェーブ系が日本に入ってきた頃からファッションとコーヒーが蜜月な関係になり、以来ずっとコーヒーを気にかけてます。
(それまではスタバに通う程度でした)
京都・小川珈琲の新店を取材したり、コーヒーメーカーのニュース記事をつくったり。
このブログでも京都コーヒー店巡りをレポしてます。
(記事末の「関連サイト」をご覧ください)
浅煎りシングルオリジンの酸味&フルーティ好き。
豆の購入先は自家焙煎の「LIGHT UP COFFEE」「Switch Coffee Tokyo」「COBI COFFEE AOYAMA」など。
精製方法はさっぱりしたウォッシュドが好みで、芳ばしいナチュラルは苦手(ハニープロセスはモノによりOK)。
ちょい高価な手回しミルを使い、淹れる直前にグラインド。
ハンドドリップで湯を注ぎ、飲み頃から2~3週間以内に購入した豆を飲み切ります。
エアロプレス、フレンチプレスといった器具は持ってません。
そこまでのコーヒー追求者ではないんです。
沸かしたケトルの蓋を開けハンドルを握って湯を強く10回くらい回し振ると、約91度に下がることに気づいてからは温度計さえ使わず。
豆を切らした緊急時には、スーパーで買える個別包装一杯煎れドリップコーヒーを活用します。
コーヒーがなにもないよりぜんぜんマシです。
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さてここで、店頭で感じたよい点を。
●一杯あたりのコストが一杯煎れドリップコーヒーに近いことを考えると(マシン価格のコストを除く)、それより遥かにフレッシュな味。
●味の濃さ、湯量を簡単に調整できる。
●日本茶、紅茶モードがある。
●サイズがコンパクトで机の端にも置きやすい。
●上質なミニマルデザインで、ローズやミントなどかわいい部屋に合う色がある。
●約700mL水タンクは十分な容量。
●職場にあるとめちゃ便利。
では逆に、イマイチと思う点を。
●新鮮な焙煎豆をハンドドリップした豊かな風味や香りは得られず。
●カプセルの商品名が「グァテマラ&コロンビア」「モカ&キリマンジャロ」などで、産地の違いを知る人しか味の違いをイメージできない。
(旧態然としたコーヒー世界)
●一杯入れ専用で、カプセル以外のコーヒー粉を使うとき多めには入れられない。
よい点はともかく、不満点は日常的に使ったらもっと出てくるかもしれないですね。
水垢除去のクエン酸洗浄がやりやすいかどうか、電源セットから抽出までの時間の長さに問題がないかなどは現時点ではよくわからず。
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わたしはドリップポッドを購入するでしょうか?
いえ、現時点では買う予定なしです。
なぜなら手間を掛け手作業でコーヒーを淹れることを、もはや面倒に思わない体質になってるから。
着る服を選ぶ時間より、一杯のコーヒーを準備する時間のほうが長いほど。
せっかくアフリカらの農家の人が手摘みした高級な豆を購入してるのだから、よさを引き出したいんです。
上等な豆は冷めてもおいしい特性があり、時間を掛けてダラダラと飲めるのもハンドドリップする理由です。
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ただ意外に思われるかもしれませんが、簡易型エスプレッソを抽出するネスプレッソにはいい印象を抱いてます。
仕事で撮影スタジオに行くとネスプレッソがよく置かれていて、使ってみたら「楽しい体験だな」と感じたから。
小さなカプセルでエスプレッソができあがる近未来感。
日本上陸間もないときに大きなインパクトがありました。
味はそれなりだとしても、出先で「あ〜カフェイン取りてえ」ってときはぜんぜん満足。
一般家庭で飲む水準のコーヒーを素早くつくれるドリップポッドなら、似たシチュエーションでよりおいしさを求める層にぴったりでしょう。
オフィス、スタジオ、野外フェスティバル、合同マーケットといった人が集まる場所(またはその運営スタッフたちのバックステージ)に置かれてたらみんな喜ぶ。
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もうひとつドリップポッドに期待するのは、カプセルほぼ単独で旬のスイーツ系ドリンクをつくれる商品の登場です。
(材料を何種類も用意する必要があるアレンジメニューではなく)
スタバがひっきりなしに季節とスイーツトレンドに連動させたフラペチーノやラテの新製品を送り出しているように、いまやコーヒーの競合はスイーツ業界でしょう。
ドリップポッドは製品デザインがいいし、ひとり暮らしの女の子の部屋にも置ける小ささ。
カプセルのパッケージもかわいい。
フランフランのインテリアとUCCのドリップポッドが並ぶ部屋、そんなライフスタイルつくれちゃいますよね。
そっち狙いのポテンシャルがある製品だと思うのです。
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密閉されたカプセルの賞味期限は製造から12ヶ月だそう。
カフェで飲んだ限りでは、古く酸化したコーヒー特有のエグみは感じませんでした。
(製造から間もないカプセルだったのかもしれません)
鮮度を保つ窒素ガス充填はされていないそうです。
大人数の家族やオフィススタッフ全員分を一気につくるのには一般のコーヒーメーカーが向いてるものの、ひとりずつ味を変えられるのはドリップポッドの大きな優位点。
手軽なコーヒーとの付き合いの強い味方になるのは間違いなさそうです。
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All photos&text©KAZUSHI
KAZUSHI instagram
www.instagram.com/kazushikazu/?hl=ja
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ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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