新世代ジャズ界の精鋭シオ・クローカーが、ジャズの過去と未来をつなぐ

  • 文:山澤健治(エディター/音楽ジャーナリスト)
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【Penが選んだ、今月の音楽】
『ラヴ・クォンタム』

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シオ・クローカー SICJ-30026 ソニー・ミュージックレーベルズ ¥2,750

前作で新世代ジャズ界に衝撃を与えた精鋭トランペッターの7作目。前作と同時期に制作されたアフロ・フューチャリズムの深化盤で、生演奏をサンプリングしてエディットする技法を駆使しながら、アフロビートやハウスのリズムで音像を描き出す。先行シングルで「ジャズは死んだ」と歌う一方、ジャズのスウィングビートにも初挑戦。R&B系シンガーを迎えた珠玉の歌モノも複数収めて、ブラックミュージックとしてのジャズの現在地を複合的に提示する。ジャズの過去と未来をつなぐ、風雲児の到達点。

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※この記事はPen 2022年10月号より再編集した記事です。