トム フォードは2018年から時計分野に参入。レクタンギュラー(長方形)の「N.001」に続いて丸型の「N.002」を展開する一方で、海洋に廃棄されたプラスチックをアップサイクル(創造的再利用)した「オーシャンプラスチック」 を素材とする新シリーズを2020年に発表。環境の改善・保全に貢献する独自のポジションを急速に確立してきたが、シリーズ第3弾となる「N.004 オーシャンプラスチック」が登場した。
このシリーズでは初となるレクタンギュラーケースを採用。第1弾の丸型2針、第2弾の回転ベゼルを備えた自動巻きスポーツモデルに比べて、より都会的でスマートなスタイルといえるだろう。縦方向のサイズは48.5㎜とやや長いが、底面を腕に沿うように湾曲させているほか、ケースサイドが滑らかにカーブしたソフトなフォルムなので、ジェンダーレスで愛用できる。
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シンプルで合理的なデザイン
ケースはもちろん、編み込みのブレードストラップもオーシャンプラスチック製。時計の天地両側でループ状に造形された2つのラグを通しているため、これを引き抜くだけで簡単に別売りの専用ストラップと交換できる。ダイヤルにあるのは時・分の2針のみで、時間を示すインデックスもない。ミニマルを追求した合理的なデザインであり、それだけに12時位置のTFロゴが印象的に映える。ムーブメントは機械式でなくスイス製クオーツを搭載。ダイヤル、ケースともにセミマットブラックとホワイトの2色をラインナップしている。
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環境保全への徹底した姿勢から誕生したモデル
このオーシャンプラスチックの材料には未使用のプラスチックや海洋関連以外のプラスチックは含まれておらず、収集元までトレースできる。パッケージも同じ素材であり、リサイクル(再利用)も可能なことから、1本あたりPETボトル35本分相当のプラスチック廃棄物が海洋から永久に除去されるという。この素材の輸送手段もカーボンニュートラルであり、スイスでの製造も太陽光発電を利用している。
2020年にはトム フォード・プラスチック・イノベーション・プライズを創設。廃棄プラスチックの革新的な再生方法を公募・選定する世界的なコンペティションを実施するなど、環境改善・保全と持続可能性に関する徹底した取組みを行っている。
そんな姿勢から生み出された「N.004 オーシャンプラスチック」のキーワードをまとめれば、レクタンギュラー、ミニマル、アップサイクル、サステナブルとなるだろうか。これらをトム フォードの卓越した美学とデザインセンスでスタイリッシュに統合した新作だ。
問い合わせ先/トム フォード タイムピース TEL:03-4360-5608
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