夏、実家に帰省した娘(尾野真千子)が、母(風吹ジュン)と縁側でマクドナルドのハンバーガーを食べる。母が「食べてあげようか?ピクルス」と言うと、「何歳だと思ってるの?」と笑う娘。子どもの頃、苦手なピクルスを食べてもらっていたらしい。そのとき、娘の娘(夏目ひより)が昼寝から目を覚まして、合流。ハンバーガーの中にピクルスを見つけた彼女は……。
8月9日からオンエアされ、公式YouTubeで200万回以上の再生数を記録した、マクドナルドのCM「家族といっしょに。『ピクルスのリレー』」篇だ。
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家族をテーマにした、ブランドCMシリーズ
1971年、銀座に1号店を出した日本マクドナルド。以降、“家族が笑顔で過ごせる時間”を提供してきた同社が、50周年の昨年始めたのが「Family Brand Story」のシリーズだ。これまで、NON STYLEの石田明出演の「ハッピーセット卒業式」篇や、向井理出演の「もうひとつの、ハッピー。」篇などを放送。第4弾が今回の「ピクルスのリレー」篇だ。井上陽水の『少年時代』をバックに、親子三代にわたる母娘のストーリーを描いた。
広告業界のトップランナーが制作
クリエイティブディレクターは、大塚製薬「カロリーメイト」のCMを数多く担当し、最近では綾瀬はるかのユニクロ「LifeとWear」、永野芽郁のクラシエ「いち髪」なども手掛ける福部明浩氏(catch)。「カロリーメイト」など多くのCMで組んできた田中嗣久監督が演出を、人気写真家の瀧本幹也氏が撮影を手掛けた。
このチームによる“いぶし銀”の仕事が効いている。福岡県糸島市で撮影したという“日本の夏”を感じさせるロケーション、22年ぶりの共演という風吹ジュンと尾野真千子の自然な“母娘感”、孫役・夏目ひよりの超・自然体の好演を引き出した点もさすがだ。
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ネガティブ要素を感動の物語に昇華
SNSには「泣けた」「じーんとした」といった感動の声が多数。自身の幼少期を重ねた視聴者も多かったようで、「ピクルス嫌だった」「私も親に渡していた」と、ピクルス絡みの話題にも花が咲いた。
企業や商品の良さを伝えるのがCMだが、「ピクルスが苦手」という、ともすればネガな要素を描いて共感を誘ったことが、最大の成功要因だろう。それを許容したクライアントと、感動の物語に昇華した作り手の力を感じる一篇だ。
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【動画】家族といっしょに。「ピクルスのリレー」篇(60秒)
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メイキング動画『BEHIND THE SCENEカメラのリレー』(62秒)
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