ビームスジャパンの鈴木修司です。今回の旅の舞台は、日本海に大きく突き出た半島、石川県は“能登”。
“リーゼント頭のイカツイお兄さん”のような形の半島と言えば、誰もが分かるのではないでしょうか。特徴的な形をしているからか、地図の上では多くの人が認識しているものの、訪れたことがある人は少ないのではと思います。
じつは私にとっては身近な場所で、近年において注目している地域の三本指にずっと入っています。この数年は年1、2回の頻度で訪れている地域です。正直なところ不便な場所で、最寄りは新幹線で行くなら金沢駅、飛行機で行くなら“のと里山空港”ですが、能登のどこに行くにも、そこからまた車での移動が必要になります。
しかし、その不便さが魅力です。不便だからこそ、行く甲斐も、来た甲斐もあります。
能登半島の先端に近づくほどに、色んなことが濃く集まってくるようなイメージで、日本の原風景がそのままであることに驚かされます。内陸の里山の風景、海沿いに続く港町の風景、それに能登でしか見られない特異な風景が魅力です。
---fadeinPager---
1.圧巻の棚田「白米千枚田」
まず紹介するのは“白米千枚田(しろよねせんまいだ)”です。
日本各地に千枚田と呼ばれる棚田は数多くありますが、荒々しい日本海に面した険しい場所に壮大に広がる景色は圧巻です。ありきたりな表現ですが、先人の苦労と情熱を十分に感じることができます。
---fadeinPager---
2.常に品薄状態「珪藻土を使った七輪」
能登は世界的に見ても貴重な“珪藻土”の一大産地です。乱暴に言うならば、能登半島自体が珪藻土で出来ているようなもので、珪藻土とは植物プランクトンの死骸の化石なので、太古に海底が大きく隆起した場所なのです。
そんな話をしているだけでもロマンです。地図で見ると比較的小さな半島に見えますが、実際にはとても大きく、関東の方に分かり易く言うならば房総半島とさほど変わらない大きさと奥行きがあります。
そんな珪藻土を材料にした銘品が、ビームスジャパンではすでに人気商品です。地中から切り出した珪藻土をそのまま削って成形し、それを窯で焼成し、そうして出来上がる“コンロ”です。そう、焼鳥屋や焼肉屋でよく見かけるアレです。
最近では欧米でも大人気で、生産するメーカーもごく僅かということもありますが、常に品薄状態。私も愛用していますが、使い込むほどに味が増して、何よりも美味しく焼けます。しかも手軽に。
ここで話すと長くなるのですが、珪藻土には目に見えない微細な穴が空いているので、それによって断熱性と保温性に優れ、しかも遠赤外線効果も期待できる優れものです。もちろん能登には“珪藻土コンロ”以外の魅力ある産物があるので、いくつか紹介させてください。
数ヶ月前に訪れた際に見てきたものですが、どれも能登ならではの銘品で、これからが楽しみなものばかりです。
---fadeinPager---
3.伝統的な麻織物「能登上布」
まずは伝統的な麻織物の“能登上布(のとじょうふ)”、ほかの産地と違う魅力といえば、能登の里山や自然を連想させる儚くも美しい色と柄でしょうか。一目惚れです。
まずは携帯しやすい小物で、いくつかの新作をビームスジャパン用にお願いしてきました。
---fadeinPager---
4.釣り天国ならでは「タコ型のルアー」
こちらは釣り天国のご当地ならではの“タコ型のルアー”です。ルアー(擬似餌)だと求める方も限られるので、その愛らしい形を転用したとある新作を、こちらでもお願いしてきました。
---fadeinPager---
5.珪藻土の「オカリナ」
次にご紹介するのは“オカリナ”。楽器のオカリナです。「能登でオカリナ?」って感じですが、なんと珪藻土を原材料の一部に使用しているのです。珪藻土を使うことで、軽さと音色に良い影響があるとのことでした。こちらもとても魅力的なものでした。
---fadeinPager---
6.砂浜の道路 「千里浜なぎさドライブウェイ」
能登にはほかにも沢山の銘品があるのですが、モノの話はこのぐらいにして、最後にもう一つ紹介したい場所があります。
それは、“千里浜なぎさドライブウェイ”。日本広しといえど、こんな場所はないと思います。れっきとした道路で、車で走って良い砂浜の道路なのです。行ったのは夕暮れ時でしたが、なんと美しい景色でしょうか。
騙されたと思って、能登半島へ行ってみてください。後悔しないと思います。
---fadeinPager---
連載記事
- 第1回 私の憧れ“寅さん”のように、全国の銘品を求めて旅しています
- 第2回 鹿児島は、"鹿児島というひとつの国"のように思います
- 第3回 "安芸の宮島"との縁から生まれた、BEAMS限定の特産品
- 第4回 桃や桃太郎ではない、“それ以外”の魅力を探しに岡山へ
- 第5回 函館から約1時間。北海道・八雲町の知られざる顔といえば
- 第6回 何度でも訪れたくなる、謙虚で味わい深い福島県
- 第7回 知られざる魅力を秘めた岐阜の旅 美濃市と郡上八幡で見つけた銘品3選
- 第8回 心の故郷、葛飾は柴又へ『男はつらいよ ビームス篇 寅年』が開催中
- 第9回 “端っこ”好きが足繁く通う、本州の最果て青森県の魅力4選
- 第10回 マンゴーだけじゃない!旅の達人が教える宮崎県の魅力5選
- 第11回 『男はつらいよ』のロケ地、根室からスタートする道東の旅オススメ5選
BEAMS JAPAN クリエイティブディレクター
1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。
1976年、三重県松阪市生まれ、ビームスと同い年です。年間120日近くを旅に費やし、日本各地の様々な場所で魅力的なモノ・ヒト・コトに関わる仕事をしています。肩書きは“BEAMS JAPAN”のクリエイティブディレクター、日本に関係することあれば比較的なんでも来いのスタンスです。大学などで講師を務めることも。『銘品のススメ』著者、『都道府県おでかけ図鑑』監修。