「ニッチフレグランス」と呼ばれる香水ジャンルがある。“独立系”などとも言われ、ラグジュアリーブランドや老舗の香水とは出自の異なる新興ブランドを指す用語だ。ラインアップが豊富で好みの香りを探せるのが、人気のニッチフレグランスブランドに共通する特徴。ボトルデザインに統一感があり、コレクションしたくなるのも魅力のひとつである。いまの香水ブームを牽引する存在だ。
なかでもニューヨーク発のル ラボ(LE LABO)の勢いが目覚ましい。アメリカの権威あるファッション&ビューティー業界紙「WWD」による記事の翻訳「米国のビューティ業界人が選ぶ香水 トップ20」(2022年5月6日付)によると、300人に“ベスト香水”を調査し、第1位のシャネル「シャネル No.5」に続く2位がル ラボ「サンタル 33」だったそうだ。香水ブランドとしての総合力も考慮された結果であり、本国でル ラボの評価がいかに高いかがわかる。なおサンタル 33は、ル ラボの代表作である。
ニッポンでもル ラボは若年層をも夢中にさせて躍進している。8月22日(月)にオープンした路面店「ル ラボ 二子玉川」が、さらに人気を加速させるかもしれない。場所はこの地のシンボルである玉川高島屋のすぐ横の路地沿い。全国最大の広さと、スタッフが香料とアルコールや水を混ぜる「フレッシュ ブレンディング」の設備が売りだ。さらにオープン直後の9月には、年に一度の買い物の楽しみが待っている。通常は世界14都市の各地でしか購入できない都市限定の香り「シティ エクスクルーシブ」をすべて入手できるのだ。
パリやマイアミといった都市がイメージされた香りとはどんなものか、店を訪れてすべて試してみた。スプレーした直後のトップノートに限った話になるが、感想を述べていこう。なにより良いと感じたのは、似た香りがひとつもないこと。個性がはっきりしているので、誰でも好みのものに出会えそうだ。都市と香りの結びつきについては、よくわからなかったのが正直な意見。東京をテーマにした「ガイアック 10」はウッド(樹木)調で、頭に「?」マークが浮かんだ(ただし、いい香りだ)。ル ラボの調香師による独自の解釈なのだから当然のこと。ル ラボ目線のストーリーに浸るのが正しい楽しみ方だろう。
都市とのリンクを強く感じたのは、香港「ビガラード 18」。創始者のひとりが幼い頃、家族で訪れた香港の街にインスパイアされた品で、飲茶を感じさせるような香りが魅惑の体験だった。ロンドン「ポアブル 23」がペッパー(胡椒)のスパイシーさなのは、イギリスとインドとの関係性やエスニック料理店が多いことなどが理由だろうか。パリ「ヴァニーユ 44」はバニラ、マイアミ「タバ 28」は煙草、ロサンゼルス「ムスク 25」はムスク、ソウル「シトロン 28」はシトラス(柑橘系)といった具合に、商品名はベースになる香りを示している。各数字は配合された香料の数である。
憧れの都市で選ぶもよし、純粋に香りで選ぶもよしのシティ エクスクルーシブは二子玉川のほかに、代官山、青山、GINZA SIX、渋谷パルコ、ニュウマン新宿(8月31日オープン)、京都の各直営店及び公式オンラインショップで9月30日(金)まで購入可能。日本橋三越本店、阪急うめだ本店、高島屋大阪店の各百貨店内売り場では7種類のみを入手できる。リピ買いできる翌年の9月を待たずに使い切ってもご安心を。空き瓶に中身を詰める「リフィルサービス」を活用すればいい。フレッシュ ブレンディングを行なう店舗に限り、通年で同じ香りを購入できるのだ。今月こそが人と被らない自分定番の香水に出会えるいいチャンス。いますぐ近くの店に足を運ぼう!
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【写真】絶好調の香水ル ラボ、年に1度、9月の間だけ発売される世界各都市限定品も取り扱う二子玉川店をオープン!
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ル ラボ 二子玉川
東京都世田谷区玉川3-8-2 タイガービル1F
営業:11時〜20時
無休
TEL:03-6431-0108
www.lelabofragrances.jp
ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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