繊細なポップセンスが光る、真摯に自己と向き合ったオリヴァー・シムの野心作

  • 文:山澤健治(エディター/音楽ジャーナリスト)
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【Penが選んだ、今月の音楽】
『Hideous Bastard』

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オリヴァー・シム YO283CDJP ビート・レコーズ ¥2,420 9/9発売

UKの人気インディ・ポップ隊、ザ・エックス・エックスのベーシスト兼ボーカリストの初ソロ作。バンドの盟友ジェイミー・エックス・エックスをプロデューサーに迎えた本作は、HIV陽性である事実を初告白した「Hideous」を皮切りに、自身の恐れや恥と真摯に向き合い、ポジティブな感情に昇華させた野心作。ノーザン・ソウル・クラシックを下地にした「Romance With A Memory」、ザ・ビーチ・ボーイズの風を感じる「GMT」、アンニュイなドリーム・ポップ「Fruit」他、繊細で優美なポップセンスが輝きを放つ。

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※この記事はPen 2022年10月号より再編集した記事です。