「今まで聞いた音で一番気味が悪い」 NASAが投稿したホラー映画のような“ブラックホールの音”にネット民騒然  

  • 文:松丸さとみ
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人間の耳には聞こえない「音」を加工して可聴に

宇宙を頭に思い描くとき、どんな音を想像するだろうか? 宇宙は真空なので音はしない、と思われがちだが、実はそうではないらしい。このほどアメリカの航空宇宙局(NASA)が「ブラックホールの音」をツイッターに投稿したところ、まるでSFホラー映画ばりのおどろおどろしい音に、ツイートが拡散されて話題になっている。

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この音は、ペルセウス座銀河団にあるブラックホールから発せられている。ブラックホールから音が出ているという事実は、2003年にX線天文衛星「チャンドラ」が音波を観測したことで明らかになっていた。ブラックホールから出てくる圧力波が、銀河団内にあるガスに波紋を起こして音になるという。とはいえ、この音は中央ハ(ピアノでいえば真ん中のドの音)よりも57オクターブほど下の音階になるため、そのままでは人間の耳で聞くことはできない。

そこでNASAは、「ソニフィケーション」(可聴化)と呼ばれる、データを音に翻訳する作業を行った。ペルセウス座銀河団のブラックホールの音データやその他のデータを加工して増幅し、人間の耳に聞こえるようにしたのだ。この音源は5月、NASAがブラックホール・ウィークを開催した際に公開されていたが、今回NASA Exoplanetsのチーム(太陽系外惑星や生命体の可能性について研究しているチーム)がツイッターに改めて投稿したところ、48万件以上のいいねが付くなど、大きな反響となったのだ。

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別のブラックホールからはまったく違う音も

NASA Exoplanetsのツイートには、「ゾッとする音だ」や「チベットの僧侶の声みたい」「今まで聞いた音で一番気味が悪くて今夜眠れないかも」などのコメントが寄せられている。また、映画『スペース・オデッセイ』で使われた音楽に似ているとの指摘もあった。

映画『スペース・オデッセイ』トレイラー

画像の中でレーダーのように回転しているイメージは、さまざまな方向に放出されている音を捉えている様子を視覚化したものだという。また、青や紫の部分は、人工衛星チャンドラが捉えたエックス線のデータを視覚化した。

ブラックホールというと、あらゆるものを吸い込む恐ろしいもの、というイメージがあるのではないだろうか。今回ツイッターに投稿されたペルセウス座銀河団のブラックホールはまさにそのイメージにぴったりの恐ろしい音だが、同じブラックホールでも別の場所だと違うようだ。

NASAは、おとめ座銀河団にあるメシエ87のブラックホールから発せられているデータもソニフィケーションしている。こちらは、X線、可視光線、電波という3つのタイプの光の波長を音に解釈したもの。実際の音データを使用したペルセウス座銀河団のブラックホールの音とは性質が異なるが、あのおどろおどろしい音とは打って変わって、リラックスできそうな爽やかな音になっている。

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【動画・画像】「今まで聞いた音で一番気味が悪い」NASAが投稿したホラー映画さながらの“ブラックホールの音”にネット民騒然

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映画『スペース・オデッセイ』トレイラー

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おとめ座銀河団にあるメシエ87のブラックホールから発せられているデータもソニフィケーション

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スペース・オデッセイに似てる、と指摘するツイート

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