明石海峡を望む老舗酒蔵で、日本酒やジンに酔いしれる。蔵見学、蒸溜所見学も

  • 文:久保寺潤子
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木を多用したモダンな雰囲気のビジターセンター。吹き抜けになった広々した空間で、ゆっくり買い物が楽しめる。

伝統の日本酒と、革新のウイスキー&ジン

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明石酒類醸造所の看板商品「明石鯛」は、5種類の日本酒と2種類のリキュールでのラインナップ。個性が際立つ酒を飲み比べてみたい。

兵庫県にある明石酒類醸造は、明石海峡を望む風光明媚な土地に面した酒造メーカーだ。江戸時代末期から醸造業を営み、1917年に現在の会社を設立。主力製品である銘柄「清酒 明石鯛」は、海流の速い明石海峡を泳ぐ魚にちなんで命名された。原料となる米は酒米の王様と呼ばれる兵庫県産の山田錦。「明石鯛」は、南に豊かな漁場、北に酒米の産地が広がる自然豊かな明石の土地に誇りを持つ職人によって受け継がれてきたのだ。

2017年からはウィスキー・スピリッツの製造もスタート。スコットランドへ直接足を運び、その本質を学びながら明石の風土を生かした「波門崎ウイスキー」を発表した。本場イギリスで開催される酒類のコンテスト、IWSCで銀賞を受賞する快挙を成し遂げ、ヨーロッパやイギリスで高い評価を受けている。さらに酒造りで培った技により、クラフトジンにも挑戦。厳選した5種類の日本のボタニカルとロンドン・ドライジンのボタニカルを組み合わせ、蒸留した山田錦の純米酒を加えた「東経135度兵庫ドライジン」が誕生した。

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左:館内では直売所で人気だったオリジナルのお猪口や徳利、兵庫県の画家・版画家の渡辺トモコによるオリジナル版画トートなどを販売。右:併設するバーでは日本酒「明石鯛」やクラフトジン「東経135度兵庫ドライジン」など店舗で販売している全ての酒の試飲が可能だ。

伝統を大切に守りながら、新しい試みを続ける明石酒類醸造が、去る8月24日(水)に蒸留所の魅力をより広く伝えるため、「明石酒類醸造&海峡蒸留所ビジターセンター」をオープンした。館内では清酒 明石鯛をはじめ、同社で蒸留しているウィスキーやドライジンを試飲できるほか、オリジナル雑貨の販売、隣接する酒蔵の見学に参加することができる。今後は店舗限定の日本酒や姉妹蒸留所であるモスバーン蒸溜所やトルベイグ蒸留所のウイスキーも販売される予定だ。

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左:2階では取引先やバーが主催するセミナーなどを予定している。右:スコットランド・モスバーン蒸溜所のブレンディッドウイスキー「Signature Cask」No.1とNo.2、トイベルグ蒸溜所のシングルモルトウイスキー「Allt Gleann-The Legacy Series」も販売予定。

蔵や蒸留所の見学ツアーは準備が整い次第、ホームページで予約受付を開始する。ツアー内容は、モニターを使って酒造りに関するレクチャーを受けた後、ウイスキーの蒸留や清酒の製造工程の映像を鑑賞し、最後には試飲を楽しめるというもの。土地の魅力を余すところなく生かした、蒸留所を巡る旅に出かけてみたい。

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sub2.jpgガラス張りのビジターセンターと蒸留棟が並び立ち、目の前には国道2号線やJR神戸線、山陽電車が走る。目の前を行き交う列車を眺めながら至福の一杯を傾けたい。

明石酒類醸造&海峡蒸溜所ビジターセンター

住所:兵庫県明石市大蔵八幡町1-3

TEL: 078-919-1087

営業時間: 11時〜18時

定休日: 月、火

駐車場 あり(酒蔵前4台)

支払い方法 現金、クレジット、QRコード決済

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