エイジング加工で知られる気鋭の建材屋、ティンバークルーがブランドブックを出版。これを記念して、代官山 蔦屋書店で一点ものの作品を集めたSPECIAL FAIRが開催される。

あらゆる木の建材の製造、加工、販売を行う建材メーカー「ティンバークルー」。2010年の設立以来、その技術力に多くのクラフトワーカーたちが注目してきた。経年を感じさせる絶妙な塩梅のエイジング加工で木の魅力を最大限に引き出し、有名デザイナーや設計者たちをクライアントにもつ。

これまで手がけた店舗は、猿田彦珈琲 The Bridge 原宿、ONITSUKA TIGER OMOTESANDO NIPPONMADE、JINS 渋谷、BLAMINK TOKYOなど多数。現代デザインに木材を落とし込む彼らの技術は、その木目の美しさからも見てとれる。木材のプロ集団である彼らが扱うものも一級品ばかりだ。日本ではほぼ流通していないアフリカ黒檀や、流通量が非常に少ない日本原産のイスノキなど、どれも通常は手に入らない貴重な木材ばかり。

一方、環境への配慮も忘れない。多くの商業空間や什器の製作を手がけ、その製材過程で生まれた端材をアップサイクルしたプロダクトに作りあげるのだ。もちろん、すべて１点モノで表情豊か。

今回完成したブランドブックは、そんな「ティンバークルー」の感性を紐解く一冊である。彼らを一躍有名にした床材をはじめ、味わいのある木を見逃さず、器や家具へと活かすユーモアを一冊の書籍に仕立て上げた。初版限定版は、オーク材を特殊加工した板を表紙に貼った唯一無二のもの。４つのタイプを並べて、そのきめ細やかな加工技術を肌で感じてもらいたい。建築・デザイン関係者に限らず、クラフトワークに携わるすべての方々のヒントになる一冊だろう。

自分たちらしく、ものを作る展示会へ
木を使って、床をつくり、壁をつくり、プロダクトもつくる。そして、エイジング加工も施す。「ティンバークルー」の仕事に、設計図や作業手順のマニュアルはない。木を触り、手を動かし、試行錯誤しながら完成形を探っていくことで生み出される。どんな姿、形の木材も、唯一無二のプロダクトになると信じ、色味も風合いも形状も最良を模索し手間が惜しまれることはない。

彼らの全てを詰め込んだ一冊、『MAKE IT YOUR OWN』の発売を記念し、代官山 蔦屋書店で一点ものの作品を集めたSPECIAL FAIRが開催される。会場には端材などで製作したプロダクトを展示。テーブルやスツール、ボードゲームからアパレルまで、素材の表情が刻まれ、一点ものの作品をその目で確かめてほしい。