「バンライフ」という言葉をご存じだろうか? バンに乗って好きな場所でキャンプや車中泊をするスタイルで、ハードコアな人になると完全に住まいをもたず、遊牧民的な生活を送っている。北米発祥のライフスタイルで、インスタグラム上では、シボレー・アストロやフォルクスワーゲン・ヴァナゴンを改造して、好きな場所で思い思いの人生を謳歌しているバンライファーの様子が発信されている。
バンライフに似たものは日本でも昔からあって、サーファーが車中泊をしながらサーフスポットを巡るのにトヨタ・ハイエースを好んだのね。ロングボードが収納できて、海水を洗い流せるウォータータンクを常備し、寝るスペースも確保できるバンはうってつけって訳。
コロナ禍のリモートワークによって、キャンピングカーの需要も増え、バンライフは多様になり定着してきた感もある。広い意味でいえば、四国八十八カ所の霊場をワゴンで巡礼したがっている自分の両親もバンライファーと遠くないはずなので(笑)、束縛なく旅をしたいと望む層は想像以上に多いと思われる。
そんなバンライフに憧れるなら、このメルセデス・ベンツの商用車「スプリンター」をベースに架装されたスウェーデンにあるカーベ(KABE)の「バン690LB」は夢の1台のはず。キッチン、洗面台とトイレ、シャワーを備え、シングルベッドをふたつ組み入れている。回転式の運転席と助手席を合わせればリビングにもなるし、ベッドは分割収納できるから、クロークスペースとしても使用できる。
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6.9メートルの全長と3メートルの高さはバンと呼べる最大サイズ。乗り込んでみると横幅に余裕はないものの高さがある分、室内のバン特有の圧迫感はそれほど感じさせない。トイレとシャワーは一体型で洗面台のパネル一枚で分割共用できるタイプでスペースを使わずとも機能は満たしてる。
外壁パネルはカーベ社自慢の「アイウォール」で完全武装しているので、極寒から酷暑まで快適な室温で過ごせる。この魔法瓶のような三重構造がやっぱりすごくて、バンライフのいちばんのネックといわれる外気温の影響を最小限に留めているのを痛感する。結局のところ、高級キャンピングカーの価値とはいかに快適な睡眠をとれるか、ってところにかかってる。機動性を優先させて必要最小限にまとめたのがこのバンの車型。塊感があって夢もみっちり詰まってる感じがするよね(笑)。
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運転の感覚はバンそのものでボンネットがほとんどない分、取り回しはラク。人や荷物を多く積まない限りは、馬力・トルクともに十分で、いつも登坂車線を走行して後続車両に気をつかうタイプでもない。高さは常に気にしなければいけないものの、朝にキャンプ場を離れ、麓のコンビニにコーヒーを買いに行ける身軽さは代え難い魅力ですよ。
カップルや仲間でサーフスポットを巡るのにうってつけのクルマというのが最初の印象だったけど、ほぼ生活が可能なぐらい収納もあるから、いっそ移動基地として使いたいよね。海から渓流まであらゆるタイプの魚を狙う釣り人や、夏はサーフィンで冬はウインタースポーツでライドスポットをめぐる人、自転車のロードレーサーや各地の自然を楽しむトレイルランニングなどアウトドアスポーツのベースキャンプとして使えたら最高でしょ。
多様なライフスタイルが選べるカーベのキャンピングカーシリーズは、アウトドアシーンにより長く身を置き、新しいライフスタイルを創り出せる空間と言えるかもしれないね。
カーベ バン 690 LB
サイズ(全長×全幅×全高):6967×2020×3050ミリ
排気量:2.2リットル
エンジン:直列4気筒ディーゼルターボ
最高出力:163ps
駆動方式:前輪駆動(フロントエンジン)
仕様:自動床暖房、自動換気システム、上水/排水タンク20/83リットル
車両価格:¥18,500,000(税込)
問い合わせ先/ヨシノ自動車
TEL:044-333-5656
https://sankou-moho.co.jp/