東京・丸の内。ニューヨークやロンドンと並ぶ世界経済の中心となるこの街は、最先端の食文化を享受できる街でもある。およそ2年間にわたる静寂を経て少しずつ活気を取り戻す街に、新たな悦びの種を生むイノベーティブなレストラン「NINE by La Cime(ナイン バイ ラ シーム)」がオープンした。
パンケーキで人気の「ビルズ」やモダンギリシア料理の「アポロ」など幅広い業態を手がけるトランジットジェネラルオフィスのフラッグシップレストラン「THE UPPER(アッパー)」。丸の内テラスの最上階を占め、2層からなるこのレストランの9階部分が「ナイン バイ ラ シーム」として7月7日にグランドオープンを迎えた。
今回のオープンにあたり、6年連続でミシュラン2つ星を獲得している大阪の名店「La Cime(ラ シーム)」の高田裕介をパートナーシェフとして招聘。店名は、1桁の数字で最大である「9」と、フランス語で「頂上」を意味する「La Cime」を合わせ、「究極の頂きへ導く」という想いを込めたという。
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高田シェフは、フランスで修行した後、大阪の御堂筋から少し路地に入った瓦町に2010年に「ラ シーム」を構える。6年連続でミシュランの2つ星を維持するのもさることながら、「アジアベストレストラン50」で第6位に、「ワールドベストレストラン50」でも第41位に選出されるなど、現在の日本を代表するスターシェフのひとりと言えるだろう。
出身地である奄美大島の食材や、自ら足を運んで選んだ農産物を積極的に用いるほか、自身の体験に基づく独創的で唯一無二のスタイルは、店を訪れるたびに新たな「食の楽しみ」を我々に教えてくれる。
そんな高田シェフの想いを形にするのが、「アッパー」のシェフとしても腕を振るう徳島亨だ。ホテル日航東京のレストランなどを経て、フレンチをベースに自身の生まれ育った福島の魅力をはじめ、日本の伝統や食文化、風土などをひと皿ひと皿に巧みに表現する。
提供されるのはおまかせの1コースのみで、ふたりの感性と技が融合して出来上がった「シーズナルテイスティングメニュー」は、両シェフの縁ある土地をはじめ、国内のさまざまな産地から集めた食材を使用。12皿で構成される。料理に合わせたワインペアリングのほか、季節ごとのノンアルコールカクテルのペアリングも特筆すべきこの店の魅力だろう。
レストランのコンセプトとして「香り」をテーマにしたと高田シェフが言うように、ひとつひとつのプレゼンテーションには物語があり、見た目の美しさだけでなく、嗅覚や手触り、温度の変化、口の中に広がる食感の違いなど、まさに五感を刺激する構成となっている。嗅覚は記憶を司る脳の海馬に直接結びつくだけに、新鮮な驚きとともに記憶に残るレストランとなることだろう。
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NINE by La Cime
東京都千代田区丸の内1-3-4 丸の内テラス9F
TEL:03-6206-3939
営業時間:18:00~23:00(最終入店 20:00)
定休日:月曜、火曜(祝日の場合は営業)
https://the-upper.jp/nine_by_lacime