大胆なデザインのスケルトンモデルでアバンギャルドの最先端を疾走してきた時計ブランド、ロジェ・デュブイが世界的なイラストレーターである空山基とコラボレーション。ジェットエンジンのファンブレードを想起させるマイクロローターを搭載した、独創的な新作「エクスカリバー モノバランシエ ソラヤマ」を発表した。
空山基はエロティックな曲線で描かれたメタリックなボディが美しく輝く、「セクシーロボット」で数々の賞を受賞。ソニーのペット型ロボット「AIBO」を手がけたことでも知られる。今回のテーマとなったのは、ヒトデのような星形ブリッジを特徴とする透け感の高いスケルトンモデル。それだけに新しいデザインを導入する余地は乏しいように感じられるが、彼はダイヤル左上に配置された自動巻きのマイクロローターに着目した。ストッキングのガーターベルトが二重になった部分で見られる「モアレ効果」にインスパイアを得て、腕の傾きで回転してゼンマイを巻き上げるローターが生み出す、動きのある複雑な模様を発案したという。
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ケース&ブレスレットもブランド初のフルポリッシュ
このモアレ効果を実現するために、マイクロローターの中心から外に向けて放射状に線を彫り込み、その上に同じ線を描いたサファイアクリスタルを固定。回転するローターの線と固定したサファイアクリスタルの線が干渉することで、繊細に変化するモアレが表出する。ただし、最高の視覚効果が得られるパターンを発見するまで1年以上を費やして数え切れないほどの試行錯誤を行った。また、このローターは光を効果的に反射する「ピラミッド型」の規則的な形状で精密に彫り込んでいくため、手動旋盤を駆使して完成までに3時間を要する。
コレクションの特徴である星形ブリッジも、シャープなエッジをもつオリジナルに対して、丸みのある曲線を導入。ソフトな輝きを放つように磨き上げている。さらに、チタン製のケースとブレスレットはブランド史上初のフルポリッシュ仕上げ。空山の代表作「セクシーロボット」を彷彿とさせる、滑らかで有機的な輝きが独特の雰囲気をもたらしている。
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次世代のムーブメントを搭載
「エクスカリバー モノバランシエ ソラヤマ」は、2022年4月に発表されたキャリバー「RD720SQ」を搭載した新シリーズのモデルであり、シリコン製のガンギ車とアンクルの組み合わせによって約72時間のパワーリザーブを実現。マイクロローターも革新的なボールベアリングの採用によって騒音を抑え込むなど、各部が次世代に進化している。なお、「モノバランシエ」とはバランスホイール(テン輪=テンプ)が1つという意味。複数のバランスホイールを備えた超複雑モデルもあることを示唆する名称だ。
今回の新作は「構造的にはまず無理だろうなと思っていた」と空山が語るように、ブランドにとってかなりチャレンジングな難題だった。だが、高度な技術力と妥協を許さない情熱によってトップアーティストの挑発的な感性をみごとに実体化しており、ロジェ・デュブイの新たな地平を拓くエポックメイキングな新作といえるのではないだろうか。
問い合わせ先/ロジェ・デュブイ TEL:03-4461-8040
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