【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】
『魂の声をあげる　現代史としてのラップ・フランセ』

フランス語圏の文学研究者である著者が、フランスのラップ音楽を社会の動きと連動させながら紹介する。2005年の警官に追われた移民二世の少年たちが死亡する事件、15年のイスラム過激派によるシャルリ・エブド襲撃事件、17年以降の＃MeToo運動などに、ラッパーたちはどう反応したのか。著者は彼らの人生を追い、リリックを訳しながら、そこに描かれた内面や社会の様子をていねいに分析する。紹介される曲にはYouTubeに飛ぶQRコードを掲載。すぐに聴くことができるのも嬉しい。