ムーンフェイズ表示の月に描かれた顔が印象的なブランパンのダイバーズウォッチ「フィフティ ファゾムス バチスカーフ コンプリートカレンダー」から、2タイプの対照的な新作が登場した。ケース素材は18KRGとチタン(グレード23)の2種類。この素材感に対応したカラーリングによって、それぞれ独自の雰囲気と個性を放つモデルに仕上がっている。
18KRGモデルには、放射状に光を反射するサンバースト処理を施したブルーグラデーションのダイヤルをコンビネーション。セラゴールド製の目盛りが鮮やかなブルーセラミック製の逆回転防止ベゼルと合わせて、ブルーとレッドゴールドの組み合わせがスタイリッシュなイメージ。ダイヤルのアワーマーカー、針、ムーンフェイズもこの組み合わせで統一されている。
---fadeinPager---
懐中時計の伝統を継承する月の顔
一方のチタン製モデルは、グレーの濃淡を基調としている。ダイヤルは18KRGモデルと同じくサンバーストだが、ベースカラーはアンスラサイト(ダークグレー)。逆回転防止ベゼルも同色のセラミック製で、マットな艶なしサテン仕上げ。目盛りは特殊合金のリキッドメタルであり、ダイヤルの針とムーンフェイズもロジウムでコーティングするなど、モノトーンによる渋いカラーリングを徹底している。
18KRGモデルは都会的で小粋なダンディズム、チタン製モデルは質実剛健なスポーツマインドに上質のオシャレを加えたといえるかもしれない。どちらのモデルも、ひと目見た時にインパクトを与えるのが月の顔だ。これは単純なアクセントではなく、ブランパンと「フィフティ ファゾムス バチスカーフ」の基本理念まで象徴する存在なのである。顔のある月は現在では珍しく感じられるが、懐中時計の頃からのクラシカルな意匠であり、世界最古の時計ブランドとされるブランパンがこれを踏襲するのは歴史に対する敬意ともいえるだろう。
---fadeinPager---
普段使いも意識したダイバーズに複雑機構が融合
300m防水の本格的なダイバーズウォッチに、ムーンフェイズも備えたコンプリートカレンダーは違和感があるかもしれないが、歴史を遡れば「バチスカーフ」はそもそも普段使いを意識したモデルだった。1953年にブランパンはロック機構付きの回転ベゼルを持つ世界初のモダンダイバーズウォッチ「フィフティ ファゾムス」を開発。ちなみに「ファゾム」とはヤード・ポンド法による単位であり、当時のダイバーの潜水限度が50ファゾムス(91.4m)と考えられていたことから命名されたといわれる。それから僅か3年後の1956年に、一般向けにケースをサイズダウンして発表されたのが「バチスカーフ」なのである。
日常生活にも適応したダイバーズウォッチとして進化を遂げてきた「バチスカーフ」に、ブランパンの伝統を継承するコンプリートカレンダーの融合は決して不自然ではなく、むしろ実用性の追求が呼び寄せたと解釈できる。こうしたストーリーを知らなくても、月に描かれた顔は実にユニークで愛嬌がある。朝は「おはよう」就寝前に「おやすみ」などと心の中で声をかけるのを習慣にすれば、かけがえのない友人として喜びを分かち合い、時には孤独を癒してくれるのではないだろうか。
問い合わせ先/ブランパン ブティック銀座 TEL:03-6254-7233
---fadeinPager---