日本メーカーと国際的なデザイナーがアライアンスを組んで協業する家具ブランド「KOYORI(コヨリ)」。先月6月に開かれたミラノデザインウィークで発表され、既にヨーロッパを中心に話題になっているという。そんな「KOYORI」を立ち上げた、マルニグローバルブランディングCEOの神田宗俊に注目した。
6月28日発売のPen8月号「アイデアと行動力で世界を動かす、“仕掛け人”を探せ!」から一部を抜粋して紹介する。
今年のミラノデザインウィークで世界に向けて発表された日本発のライフスタイルブランドが「KOYORI」だ。立ち上げたのは、深澤直人の椅子「ヒロシマ」を手がけたマルニ木工を母体とする、マルニグローバルブランディング。ブランドのエグゼクティブ・ディレクターを務める神田宗俊は、これまで世界30の国と地域にマルニ木工の椅子を広めてきた人物だ。
しかし、「コヨリ」にマルニ木工の名はなく、デビューコレクションの製造は同業の天童木工と飛騨産業が担当する。複数の企業が互いの利益のために提携することをアライアンスというが、ここではアライアンスブランドという仕組みを採用。マルニグローバルブランディングはディレクションと営業に特化し、製造は国内のメーカー各社が行う。神田は「この試みで優れたものづくりのできる日本企業を、世界に発信するブランドにしていきたい」と語る。
デビューコレクションに並んだ5型の椅子は完成度が高く、さっそく注目を集めた。既にヨーロッパの代理店から次々と注文が届き始めていると言う。今後の世界での展開に期待が高まる。
神田はさらに、デザイナーと手を取り合って製品化を実現する技術力あるメーカーを探りたいと言い、家具だけでなくラグや照明などの開発も見据えているという。
これまで品質やデザインは評価されつつも、海外販路の開拓に失敗した日本の製品は多い。この新たな取り組みがその活路を開き、世界で愛される日本製家具のさらなる登場に期待したい。
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ライフスタイルブランド「KOYORI」
マルニグローバルブランディングによる新たなライフスタイルブランド。世界的に活躍するデザイナーと国内の優れた技術力をもつメーカーを結びつけ、その製品を国内外で販売する。同社は海外セールスを担当し、国内の販売は製造を担当した各社が担う。
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神田宗俊のFAVORITE THINGS
「スニーカー」
普段から走るように心がけているという神田。コロナ禍以前は一年の大半を海外で過ごすことも多く、旅先でも街中をランニング。健康や体型を維持するとともに、思考にも刺激を与えてくれる。アディダスのランニングスニーカーを愛用し、最近買い換えたばかり。