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古材や古道具を回収し、次世代につなぐ。長野県諏訪市の「リビルディングセンタージャパン」に人が集まる理由とは?

  • 編集&文:小林百合子
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和箪笥から小物までさまざまな古道具が並ぶ。なかには古い味噌蔵からレスキュー(引き取り)した麹箱など珍しいものも。 courtesy of ReBuilding Center JAPAN

解体が決まった建物や空き家から建材や家具を回収し、販売する「リビルディングセンタージャパン」。長野県諏訪市にあるこちらのお店はアップサイクルビジネスとして注目を集め、全国から人が絶えない。リビルディングセンタージャパン代表取締役であり、空間デザイナーの東野唯史に話を訊いた。

6月28日発売のPen8月号「アイデアと行動力で世界を動かす、“仕掛け人”を探せ!」から一部を抜粋して紹介する。

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東野唯史●空間デザイナー。1984年、大阪府生まれ。展示会場の設計デザインを手がけたのち独立。2014年の結婚を機に、妻とともに空間デザインユニット「メヂカラ」として全国で仮暮らしをしながら店舗のデザイン・施工・運営アドバイスを行う。15年、新婚旅行先のアメリカ・ポートランドで「リビルディングセンター」に出合い、翌年秋、「リビルディングセンタージャパン」を長野県諏訪市に設立。 Twitter:@t_azu/Instagram:@t_azu/Facebook:@tadafumi.azuno
courtesy of ReBuilding Center JAPAN

長野県諏訪市にある「リビルディングセンタージャパン(以下:リビセン)」は、解体が決まった建物から古材や建具、家具を引き取り販売する。古材を扱う店は数あれど、その多くは海外からの輸入品。その点リビセンは日本の暮らしに馴染む建材や家具が見つかる、と全国から客足が絶えない。代表の東野唯史がこの事業を始めたきっかけは、アメリカ・ポートランドの「リビルディングセンター」に出合ったことだった。

「巨大な倉庫に古材や鉄屑、大量のリサイクル品があって、決してきれいな空間じゃないんですが、みんな楽しそうに買い物してる。古いものを大切にして、DIYで新しい命を吹き込む。そんな文化が日本にも根付いたら素敵だなと」

リビセンでは古材を使った店舗の設計や施工、古民家のリノベーションなども手がける。

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古民家の解体現場に赴き、床板などの建材をレスキューする。 courtesy of ReBuilding Center JAPAN

「僕らの理念は“リビルディング・ニューカルチャー”。古いものを次世代につなぎ、新しい文化をつくりたい。今、日本では空き家がどんどん解体されています。文化の喪失に加え、スクラップ・アンド・ビルドは環境負荷も大きい。そこから脱するためにも、古いものに光を当て、魅力を発信したい」

彼らの理念に共鳴する若者が諏訪に移住し、魅力的なスポットも生まれている。新しい文化のうねりがどこへ向かうのか楽しみだ。

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古材、古道具のリサイクルセンター、ショップ、カフェ、設計「リビルディングセンタージャパン」

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左:社員は17名。レスキューした古材の洗浄や家の解体などをボランティアで手伝う“サポーターズ”も全国からやってくる。 右:さまざまな人が集うコミュニティスペースのような雰囲気。DIYの基礎を学ぶワークショップなど、イベントも積極的に行う。リビセンができたことで、街全体に活気が生まれている。 courtesy of ReBuilding Center JAPAN

1階はオリジナル家具の並ぶカフェ、2階、3階は古道具のショップ、屋外に古材売り場を併設。1階にカフェをつくったのは、DIYに興味がない人にも、まずは気軽に足を運んでもらいたいという思いから。
rebuildingcenter.jp

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OTHER PROJECTS

レストラン「あゆみ食堂」

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courtesy of ReBuilding Center JAPAN

リビセンから徒歩7分ほどの場所にある、料理家・大塩あゆみさんが営む「あゆみ食堂」は住宅からリノベーション。もともとあった土間を活かし、解体時に出た古材を建具や家具に利用して、あたたかみのある空間に仕上げた。

フラワーショップ「olde(オルデ)」

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courtesy of ReBuilding Center JAPAN

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東野唯史のFAVORITE THINGS

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「古民家」

建築や、残された建具や家具から日本古来の文化と暮らしの知恵を学べる古民家はインスピレーションの塊。写真は、江戸末期に建てられ、長野県岡谷市に移築・保存されていた農村歌舞伎廻舞台。6月にこの家を改修した、小さな泊まれる廻舞台「mawari」が開業した。

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※この記事はPen 2022年8月号「“仕掛け人"を探せ!」特集より再編集した記事です。

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