【Penが選んだ、今月の音楽】
『ホワイト・ジーザス・ブラック・プロブレムズ』
過去3作すべてがグラミー賞受賞の快挙を達成した、コンテンポラリー・ブルース界の雄の4作目。植民地時代の1759年、黒人奴隷と結婚したスコットランド系移民の7代前の祖母の人生に着想を得たディープな作品ながら、耳心地は軽快そのもの。ビートルズの影響も色濃い組曲的構成の冒頭曲以下、R&Bからカントリーまでを取り込む、アーシーで多彩なブラック・ルーツ音楽が披露される。とりわけ、プリンスやスライ・ストーンが憑依したような終盤4曲は圧巻。次のグラミーも射程内の最高傑作。
※この記事はPen 2022年7月号より再編集した記事です。