目的もなくふらりと服や雑貨の店に立ち寄ったとき、店員が嬉しそうに商品の話をはじめることがある。説明が楽しくてつい購入してしまった経験は誰にでもあるだろう。好きという思いが伝わる嘘のない言葉や熱量は、洗練された包み紙やショッピングバッグより遥かに魅力的なパッケージだ。こうしたワクワクするストーリーを経て手に入れた品は、よく使うお気に入りになることが多い。
今回のファッション連載「着る/知る」は、そんな体験から心底良さを実感したアイテムを紹介。夏の軽装にぴったりの、スタイリッシュで実用的なミニバッグとサンダルである。ただし出会ったのは街の店でなく、ファッション通が集うショールーム。アイテムの魅力を教えてくれたファッションのプロ2名が、この場にやってきて再び熱い思いを語った。
いまや肌身離さずの、フランス発ロープストラップ
推薦人 霜降高明/alpha PRスタッフ
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スマホ持ち歩き問題の解決策として若い女性の間でいま大人気なのが、ケースにつけるロングストラップ。斜めがけしてミニバッグふうに身につければ、洒落たアクセサリーにもなる。ここに掲載するイチオシは、大人男性の服装にもよく馴染むスポーティなストラップだ。ロッククライミング好きなフランス人が創設した小物ブランド、トポロジーの主力アイテムである。本格的なロープを採用しながら、デザインは都会的。さらに大きな特徴が、さまざまなパーツを組み合わせて自分流のシステムを組めること。
「スマホケースとストラップで1万円未満のお手軽さ」
そう解説するのはPRを担当する霜降高明さん。東京を代表するファッションPRオフィスのalpha PRで取り扱いをはじめたのは、クライマー魂のある製品コンセプトに共感したことが決め手だった。
「もう肌身離せません!大きく重いスマホを無理やりパンツのポケットに入れる生活から解放されました。どこかに置き忘れる心配がないのも便利です。ストラップは現在太さ違いで5種類から選べ、誰でも好きなものが見つかるでしょう」
霜降さんがネオンカラーのストラップを選んだ理由は、
「服の色が地味なのが多く、小物で色を取り入れたくて。首から外したとき視認性がよく発見しやすいのもメリットです」
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休日の霜降さんの必需品になっているのが、マチ幅の広いこのバッグ。
「中央にドリンクボトルを差し込めるのがなによりも便利。自転車の後ろに子どもを乗せた移動中も、サッと取り出して手渡せます。中の仕分けも細かいし、必要なものは全部収まります」
外出仕事でもパソコンを持たないことが増えた霜降さんの暮らしを支えるトポロジー。ポップからシックまで幅広いセッティングができる自由度の高さで、ますます人気が拡大しそうだ。
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体の歪みを改善するインソール職人がつくったサンダル
推薦人 古明地拓朗/アタッシェドプレス、レショップPR兼バイヤー
「靴のなかに入れるインソールで5万円以上と聞くと驚かれるかもしれませんが……」
古明地拓郎さんが自身の体験を話す。
「でもそれだけの価値はあります。約4年前に腰を痛めて夜は眠れず歩くことも困難だったとき、藁をもすがる思いでオーダーしたフットワークスのインソール。ドイツで修行して自身のアトリエを構えるインソール職人の森 健さんにつくっていただき、使用していくと劇的に体が楽になっていきました。その森さんがレディメイドの姿勢矯正レザーサンダルをつくったと知り試しに履いてみたら、すっと背筋が伸びる新体験。これはいい!と確信して今夏からレショップで取り扱うことに」
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見た目の大きな特徴はヒール部分が高い前傾姿勢のバランス。体の歪みを補正して体調不良を改善することを目的にしたファンクショナルデザインだ。
「デザインのためのデザインは一切ないそうです。でも森さんらしい美的センスが感じられますね。足の矯正は本来ならフィットさせやすい紐靴が最適なようですが、サンダルで実現できたから製品化したとのこと。私的にはワークシューズのようにデイリーに愛用したいと考えています」
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「このサンダル、自分用に2足買おうかな!」
そう言って笑顔になるほどフットワークスに惚れ込んでいる古明地さん。冬になってもソックス姿で履き続けたいそうだ。レショップでは7月から店頭に並ぶ予定なので、トライした人は入荷情報をマメにチェックしよう。
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今回ご紹介した2ブランドは、皆さんの心に響いただろうか?当記事「着る/知る」担当者は目下、トポロジーの二つ折りサコッシュを愛用中。フットワークスのサンダルにも食指が動いている。幸いにも骨格の不調がないため高価なサンダルの購入は悩みどころだが、古明地さんの話を聞くと手に入れて損なしとも思える。レショップは東京・表参道にあり、トポロジーも5月22日(日)に直営店「Topologie Flagship Shop」(東京都渋谷区神宮前6-13-4)を原宿にプレオープンした。興味がある人は休日にでもこのエリアを歩き巡り、自身の肌感でクオリティを確かめよう。
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ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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