去る5月13日、オリスとPenによるトークイベント「ORIS x 高砂 淳二 エキシビジョン supported by Pen」が銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUMで開催された。写真家の高砂淳二さんをゲストに迎え、オリスジャパンの田中麻美子代表取締役、Pen編集長の石川康太が「色で見せるオリスと自然」をテーマにトークを展開。会場にはオリスの新作時計「プロパイロットX キャリバー400」と、その文字盤のカラー3色(ブルー、サーモン、グレー)に合わせて高砂さん自身がセレクトした絶景写真も展示された。
この記事ではトークイベントの模様を一部紹介。イベントの全容はこちらの動画に収められているので、ぜひご覧いただきたい。
---fadeinPager---
夢中で海を撮影しているうちに、気づいたら地球全体を撮影するようになった
世界中の絶景を求めて旅をする自然写真家の高砂淳二さん。写真を撮るようになったきっかけについて聞くと、次のように語った。
「37年ほど前にダイビングをはじめて、海に夢中になりました。父親がカメラ好きだったこともあって、僕もすぐに水中写真を撮るように。こんなに楽しいことを仕事にできたら最高だなと思い、水中カメラマンとして生きて行くことを決めました。しばらく海の中の写真撮っているうちに、次第に海の周りの風景も撮るようになり、気づいたら地球全部を撮るようになっていました(笑)」
コロナ渦の前は、一年の半分は海外撮影に出かけていたという。現在は沖縄や小笠原、北海道など国内で撮影を続けている。
そうした撮影活動を続けていくうちに地球環境の悪化を目の当たりにし、危機感を覚えるようになった。
「最初のきっかけは、1996年に太平洋のミッドウェー島に行った時。ミッドウェーは“太平洋ごみベルト”というプラスチックごみが集まっている海域の淵にあり、ビーチは漂流したゴミで覆われていたのです。ミッドウェー島はコアホウドリの大繁殖地でもあります。親鳥がヒナに口移しで餌をあたえるわけですが、魚だと思って捕ってきた餌が実はプラスチックで、ヒナのお腹の中がプラスチックでいっぱいになり、死んでしまうということが起きていました」
美しい絶景のような写真だけではなく、時には環境破壊の惨状を捉えたショッキングな写真も撮影し、警鐘を鳴らしてきた。
「自然を見ていると、本当にいろんなものが絡み合って地球が回っているということがわかります。生き物同士の食物連鎖をはじめ、人間の目に見えないところでも、微生物や菌糸などがつながりをつくっている。それらが絶妙なバランスで成り立っていて、未来はそれを壊すか壊さないかにかかっているのだということを、感じてもらえたらいいな思います」
時計ブランドであるオリスも長年環境保護に関する活動を実践してきた。
「それほど大げさに『取り組んでいます!』と言えるほどの活動はしていないのですが、10年以上前から、環境保護活動の支援を目的としたモデルを毎年つくっています。例えば去年は、世界一の干潟であるワッデン海の保護を支援する『ダットワット リミテッドエディション』や絶滅危惧種のジンベエザメにちなんだ『ホエールシャーク リミテッドエディション』などのモデルを発表しました」と田中社長は語る。
この日、高砂さんと田中さんが着用していた時計も「アクイス デイト アップサイクル」という環境保護支援モデル。カラフルな文字盤には、回収した海洋プラスチックごみを砕き、溶かしたものを材料として使用しているという。
「文字盤の模様は偶然によって生まれるものなので、1つとして同じものは存在しないものになってます。ゴミでも使い方によってはこんなに素敵なきれいなものになるんです。これらの時計をきっかけに、自然や地球環境に注目いただくきっかけになればいいなと思います」
このほかにもトークイベントでは、高砂さん本人による写真の解説やオリスのブランドの歴史、最新時計プロパイロットX キャリバー400の魅力など、さまざまなテーマで語り合った。詳しくは、下記の動画をぜひご覧いただきたい。
問い合わせ先/オリスジャパン TEL:03-6260-6876