若手デザイナーを顕彰し、グラフィックデザイン界の活性化をはかるため、1983年に公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(略称:JAGDA)によって創設された「JAGDA新人賞」。毎年発行される『Graphic Design in Japan』の出品者の中から、今後の活躍が期待される39歳以下のグラフィックデザイナーに賞を授与。これまでにデザインの登竜門として、いまや第一線で活躍する119名のデザイナーを輩出し、多くの人々の注目を集めている。
『JAGDA新人賞』も今年で実に40回目。2022年度の新人賞対象者137名より選ばれた、佐々木拓、竹田美織、前原翔一の3名の制作を紹介する『JAGDA新人賞展2022』が、現在クリエイションギャラリーG8にて開催されている。会場には受賞作品をはじめ、近作のポスターやプロダクトが所狭しと並んでいて、最先端のデザインを目の当たりにできる。身近な商品に潜むデザインの楽しさや、デザインを通して感性をくすぐられるような展覧会だ。
2011年から資生堂クリエイティブ本部に所属し、昨年に独立を果たした竹田美織は、ビューティーやファッションブランドのアートディレクションを数多く担当。資生堂の「BAUM」のポスターや、衣食住にて多くのブランドを運営するベイクルーズの「IENA」のラッピングツールなどを展示している。また屋外作業機械メーカーやまびこの社内報のデザインや、一般社団法人花いけジャパンプロジェクトが行うワークショップ「花あそ部」のポスターを出展したのが、電通テックなどを経て、2019年に独立した前原翔一だ。プリミティブな味わいが感じられるようなデザインが面白い。
コクヨに在籍し、商品ブランドの企画などを手がける佐々木拓では、ライフスタイルショップの「THINK OF THINGS MIDNIGHT SHOP(真夜中の道具店)」のグッズが遊び心に満ちている。ここでは「もしも生活の道具たちが夜の気分をまとったら」をテーマに、「ホログラムの塊のような、光り輝くノート」や、方眼紙をデザインした「ノートをまとって眠るような気分を味わえるパジャマ」といった夜をイメージさせる作品を展示し、日々の暮らしにちょっとした刺激を与えるようなアイデアを提案している。会期は約1カ月の限定。未来へと羽ばたいていくデザインの新たな可能性について考えたい。
『JAGDA新人賞展2022 佐々木拓・竹田美織・前原翔一』
開催期間:2022年5月31日(火)~7月2日(土)
開催場所:クリエイションギャラリーG8
東京都中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F
TEL:03-6835-2260
開館時間:11時~19時
休館日:日
入場無料
http://rcc.recruit.co.jp/g8/