アップル社が自社製品iPhoneを用いて撮影するショートフィルム作品をYouTube上で続々と発表している。iPhoneのカメラ性能もさることながら、各作品で指揮をとる監督陣の豪華さにも驚かされる。スマートフォンで撮影されているのを忘れてしまうほどの映像美と色鮮やかに表現されたそれぞれの監督による個性的な作品たちを、ぜひチェックしてみてほしい。
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中国の田舎を描いたノスタルジックな風景が美しい -- “The Comeback”
中国人監督チャン・メンが指揮を執った作品。映画監督を目指すもスタント撮影による怪我で故郷に帰ってきた息子と寂れた村の復興のために村人たちと手作りで映画制作に挑む父親の物語。最初は乗り気ではなかった息子の態度が徐々に変化し情熱を取り戻していく様子を田舎の風景と共にノスタルジックに描いている。風景を映した引きのシーンも多く使われており、そこに映り込むスマートフォンで見事に捉えられた空の美しさにも注目してほしい。
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カンヌ映画祭監督賞を受賞したパク・チャヌク作品-- “Life is But a Dream”
ある葬儀屋が放置された墓を掘り起こすところから物語は始まる。葬儀屋は掘り起こした墓の棺を村を救って死んでしまった救世主の棺に再利用しようとするが、うっかりその墓の幽霊を呼び起こしてしまう。冒頭はホラー作品かと思わせて、物語は意外な方向に進んでいく。20分間にホラー、アクション、ロマコメ、ミュージカルとエンターテインメント要素がすべて詰め込まれた作品となっている。
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指揮を執ったパク・チャヌク監督は5月のカンヌ映画祭で監督賞を受賞
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思わずシンガポールチキンライスが食べたくなる -- “Poached”
Netflixのドキュメンタリー作品「次郎は鮨の夢を見る」のアメリカ人監督デヴィッド・ゲルブがシンガポールの有名チキンライス店のライバル関係をとりあげたドキュメンタリー作品。日本人向けガイドブックにも掲載されている有名チキンライス店とそのライバル店の争いが取り上げられている。フードドキュメンタリーが得意な監督とあって、それぞれの店のチキンライス一皿がシズル感たっぷりに撮影されている。見終わったらシンガポールチキンライスを食べたくなるかも。
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タイのゴーストフェスティバルにちなんだホラー “Those That Follow”
ハリウッドでもリメイクされた映画「シャッター」で一躍タイホラーの名手となったパークプム・ウォンプムによるタイの実際の祭りと信仰にちなんだホラー作品。強盗を犯し逃げる少年二人は逃亡先でその土地伝統の祭りPhi Ta Khonに遭遇する。少年たちは祭りに使われるマスクでうまく隠れようとするも、どう逃げても振り切れないものがあることに気づき追い込まれていく。20分の短さとは思えない展開の巧みさで手軽に身の毛がよだつ感覚が味わえる。
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YouTubeではメイキング映像も公開
ジャンルに囚われず、様々な国の風景や文化も交えて楽しめるアップルのショートフィルム作品。それぞれの作品のメイキング映像もYouTube上に公開されておりどのように撮影されたのか、また撮影中に苦労したポイントなども各監督が語っている。
全作品5分から20分の長さですべて英語字幕で視聴可能となっている。