実はミケランジェロの作品だった!あるデッサン画が31億円で落札

  • 文:黄文
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Christie's-YouTube

去る5月18日、パリのオークションハウスのクリスティーズでルネサンス期の巨匠の一人であるミケランジェロ・ブオナローティのデッサン画が出品され、2,300万ユーロ(約31億円)で落札された。

今回落札されたデッサン画は、裸の男とその背後の2人の人物を描いたもので、ミケランジェロがルネサンス初期の画家マサッチオの作品の一部をモチーフにし、1496年に制作されたものだと考えられている。

ルネサンス初期の画家マサッチオによりフィレンツェのブランカッチ礼拝堂に描かれた、震える男をモチーフにしたと考えられている。

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500年以上の時を経て、ミケランジェロの作品だと判明

今回落札された作品がミケランジェロの作品と確認されたのは、2019年とごく最近。同作品が最後にアート市場に出たのは1907年だったそうで、その当時はミケランジェロ派の作品とされミケランジェロ本人制作とは認識されていなかったそうだ。2019年に制作から500年以上を経て、実はミケランジェロの作品であったことが再発見された形だ。現在8枚弱確認されている個人所有のミケランジェロによるデッサン画としては、最高値の1枚だという。

オークション前の予想3,000万ユーロ(約40億円)には届かなかったものの、オークションで売られたミケランジェロの作品としては最高値を更新する形となった。また、ヨーロッパで販売された紙の作品としても最も高価な作品となるそう。

時代は流れ、次々と才能ある芸術家が誕生し、新たな手法や素晴らしいアート作品が生まれ続けている中、デッサン画1枚に31億円の高値がつくとは、ルネサンス期の巨匠の偉大さを見せつけられたオークションとなった。今後も思わぬ大発見で偉大な芸術家達の作品に出合えることを期待したい。

至近距離からの動画で感じる巨匠のタッチ