ボックス型のサファイアクリスタル風防など、レトロな雰囲気が漂うスタイルの一方で、ダイヤルカラーは鮮烈なオレンジ。時計のダイヤルは年々カラフルになってきたが、それでも周囲にセンセーションを巻き起こしそうな新作がベル&ロスから登場した。航空機の計器盤にインスパイアされた角型ケースの「BR 01」コレクションで世界的にブレークしたブランドだが、この新作「BR V2-92 ORANGE」はクラシカルな丸型。同ブランドの歴史と発展を読み解くことができるモデルなのである。
ベル&ロスがフランス・パリで設立されたのは1994年。ドイツ時計ジンとのダブルネームによるモデルを経て、1997年に初のオリジナルコレクション「ヴィンテージ」を発表した。1940年代の軍用時計のエッセンスを現代的に再構築しており、時計通やマニアから高く評価されたベル&ロスの原点だ。2010年にはケース径を41㎜に拡大するとともに、ラグをシャープなフォルムにリニューアルした第2世代の「ヴィンテージ BR」をリリース。前述した角型モデル「BR 01」が2005年に誕生して大ヒットしたため、このモデルの特徴的なグラフィックや剣型針を採用することでイメージを統一している。そして2017年に現在に至る第3世代が発表された。ケース径38.5㎜のコンパクトな「BR V1」と、ケース径41㎜の「BR V2」の2タイプがある。「BR V2」にはクロノグラフの「BR V2-94」もラインナップされているが、今回の新作はセンター3針と日付表示を備えた「BR V2-92」のオレンジダイヤルという位置付けになる。
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ブランドでは2本目のオレンジダイヤル
「BR V2-92」と第2世代との際立った違いは、盛り上がったプロテクターで保護されたネジ込み式リューズに加えて、3針モデルにも両方向回転の60分計ベゼルが設定されたことだ。ケース全体もフラットになり、よりエレガントなシェイプに仕上がっている。
このようにベル&ロスの原点を直接的に継承する最新コレクションであるため、レトロとモダンが混淆した特有のテイストが感じられるが、「視認性」「機能性」「高精度」「信頼性」というブランド設立以来の基本原理にいささかも揺らぎはない。オレンジカラーも、2020年の「BR 03-92 ダイバー」で海中の視認性向上から採用されており、今回は2本目のモデルとなる。バーインデックスやアラビア数字、時分針は対照的なブラックで縁取りしているため、時間が読み取りやすい。その内側は蓄光式蛍光塗料が施されているので、夜間はオレンジ色に美しく発光する。
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便利に活用できる回転ベゼル
100m防水のスポーツモデルであり、広報資料ではスタイリッシュな若者にマッチすると紹介されているが、両方向回転ベゼルの60分計はむしろビジネスマンに大いに役立つ。ベゼルの三角マークを分針に合わせれば会議などの経過分を計測できるだけでなく(60分以内)、この三角マークを予定時間にセットしてカウントダウン的に利用することも可能だ。
ちなみに、航空用語事典によれば、コックピットのメーターパネルの指示灯でレッドは警告、オレンジは注意を意味するという。これはクルマも共通している。であるなら、目立つ色だけに度胸は必要だが、万全の態勢で挑む、ここ一番の“勝負時計”にすることも考えてみたい。いずれにしても、オレンジは活気に満ちたカラーであり、ビジネスウェアにも華やかな彩りを加えることは間違いないはずだ。
問い合わせ先/ベル&ロス 銀座ブティック TEL:03-6264-3989
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