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環境問題や東西冷戦、核開発まで。ウルトラマンシリーズの裏に秘められた、社会問題へのまなざし

  • 文:幕田けいた
  • 画像提供:円谷プロダクション
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『シン・ゴジラ』は、震災や原発、安全保障、政治システムといったさまざまな社会問題の暗喩としても読み取れる作品であった。『シン・ウルトラマン』ではどんな問題が提起されるのか気になるところだが、そもそもウルトラマンシリーズは子ども向け番組でありながら、「特撮」というフィルターを通して、現実の社会問題も描いてきた。物語を俯瞰すると、もうひとつの戦後史、昭和史が見えてくる。現在発売中のPen 6月号『ウルトラマンを見よ』特集から抜粋してお届けしよう。

【環境汚染】

第二次世界大戦後、日本は科学によって急激に発展を遂げた。しかし同時に失ったものも大きい。自然環境である。アメリカでは1962年、生物学者レイチェル・カーソンが著し、化学物質の危険性を告発した『沈黙の春』がベストセラーとなり、環境保護運動が注目されていた。日本においても、人間が自然界の均衡を崩すことは無視できない問題であった。

「ウルトラQ」では化学物質で生物が巨大化する「五郎とゴロー」や「甘い蜜の恐怖」といったエピソードで、環境問題をいち早く描いた。公害病など、化学物質を垂れ流す危険性が科学的に検証され始めた時期だ。ほかに「帰ってきたウルトラマン」の「毒ガス怪獣出現」では、地中に廃棄された旧日本軍の毒ガスを食料にした怪獣が登場。米軍基地が有毒ガスを極秘貯蔵した隠蔽事件がモデルだ。また、本来の自然にはない膨大なエネルギーを求め、都市に怪獣が出現する「ウルトラQ」のバルンガなども。怪獣は人間が壊した自然環境の象徴なのである。

化学物質の過剰摂取により、猿が怪獣化して街に出没

1966年 「五郎とゴロー」(ウルトラQ)

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大猿ゴローは、エサを集めようと果物泥棒をして捕まった五郎を探して市街地に現れる。

旧日本軍が研究していた強壮剤を盗みだして食べた猿のゴローが、甲状腺ホルモンのバランスを崩して巨大化。仲のよかった五郎青年とともに市街地に現れる。近年、注視されている環境ホルモンなどの問題をテレビドラマで扱ったのはおそらく世界初である。時期的にレイチェル・カーソンの『沈黙の春』の影響を受けているのは間違いないだろう。日本で農薬取締法大改正と使用禁止農薬の拡大キャンペーンが行われたのは、この番組が放送された後の1971年のことだ。

光エネルギーを吸収し、プリズム光線を発射

1971年 「残酷! 光怪獣プリズ魔」(帰ってきたウルトラマン)

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結晶のような姿の光怪獣・プリズ魔。太陽の黒点が変化したことで活動を始めた。

氷山の中に閉じ込められていた光怪獣プリズ魔が、不夜城・東京に接近。光を食べるプリズ魔は、繁栄の象徴である都市の照明に引き寄せられたのだ。この放送から2年後に発生した「オイルショック」で、日本は深刻なエネルギー問題に直面。現実に街から明かりが消える。この経験を踏まえ、1979年には「省エネ法」が制定。工場などの省エネ化や効率的な使用について規制される。本作にはエネルギー消費=繁栄の図式を見直そうという暗喩が込められている。

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【人口問題】

発展し続ける現代社会には、さまざまな問題が山積している。都市部に人口が集中することで起こる地方の過疎化と都市の「人口過密」もその一つだ。近年のコロナ禍の影響でテレワークや地方移住が進み、ようやく歯止めがかかりつつあるが、それでもなお大きな社会問題である。社会基盤や経済システムを一極集中させてきた日本の行く末はどこなのか……。

また「少子高齢化」も現代社会が抱える課題だ。この先、若者の減少が止まらない日本で、いかに社会保障制度を保っていくのかは、かなり難しい問題だ。「ウルトラQ」において、これらの社会問題をテーマに掲げたのは1966年のこと。先見の明があったのと同時に、それから56年を経たいまでも、日本は、同じ問題に頭を悩ませているのである。

初期のウルトラシリーズは、特撮というフィルターをかけることで子どもも楽しめる番組にしつつも、現実の問題をメタファーとして描くつくり手の気概が感じられる作品ばかりだ。

人口過密の対策は、住む場所がないなら人間を縮小してしまえ!

1966年 「1/8計画」(ウルトラQ)

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ヒロイン江戸川由利子がトラブルで縮小人間にされ、8倍の大きさになった電話で上司に連絡をとるシーン。

日本政府が増え続ける人口対策として進めたのが、人間を縮小し、厳格な管理のもとミニサイズの地区に居住させる「1/8計画」だった。高度経済成長期、首都圏では地方からの人口の流入が続き、地方の過疎と都市の過密が同時に起きる状況が顕在化した。60年代前半の5年間で、東京へ約186万人、後半にも約136万人の人口流入が発生。しかし都会生活のすべてが素晴らしいわけではない。「1/8計画」でも住民は市民番号が付けられ、元の世界と隔離される様子が描かれる。人口密度の高い都会での生活は、個人の無個性化、孤独化という問題もはらんでいる。

止まらぬ衰えに、若い肉体を求める誘拐犯の正体は!?

1966年 「2020年の挑戦」(ウルトラQ)

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ケムール人が未来の人類像ではないかともとれる、「2020年」のタイトルが不気味。まさに“いま”の物語だ。

日本各地で、突如として人間が消える謎の失踪事件が起きる。犯人は発達した医療技術によって長寿を得たケムール人だった。しかし肉体の衰えを止められないケムール人は、地球人の若い肉体に目を付け、誘拐計画を実行していたのだ。消失の瞬間を目撃した由利子と護衛の宇田川刑事に魔の手が迫る─。現在、日本が抱えている少子高齢化問題を予言しているような物語だ。高度先進医療やアンチエイジング技術の発明の先に、人類のケムール人化があるのかも!?

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【歴史的大イベント】

多くの社会問題をテーマにしながらも、昭和のウルトラマンシリーズは、経済成長がもたらす夢と希望を描いていた。

第二次世界大戦後、日本では多くの国際イベントが開催され、海外のイベントにも国を挙げて参加している。そのどれもが、国際社会への復帰を宣言する場だった。日本は世界に対し、民間で育まれた科学力や文化・スポーツで改めて存在感を強めていく。ウルトラマンシリーズでは、そうした高度経済成長期のイベントを背景にしたエピソードが少なくない。

昭和を代表する歴史的大イベントが、1964年の東京オリンピックと70年の大阪万博だ。どちらも世界中から数多くの観客を招き、経済成長を遂げた日本の姿を披露する、夢と希望がつまったイベントだった。興味深いのは、「ウルトラマン」がオリンピックと万博の間に放送を開始したこと。奇しくも映画『シン・ウルトラマン』が、再びオリンピックと万博の間に公開されるのは、不思議な巡り合わせでもある。

人間のエゴと欲から、万博に展示するために生きた怪獣を空輸

1967年 「怪獣殿下」(ウルトラマン)

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自衛隊や科学特捜隊の攻撃もむなしく、麻酔から目覚めたゴモラは大阪城を破壊していく。

南太平洋のジョンスン島で、約1億5000万年前に生息していたゴモラザウルスの生き残りを発見。学術調査隊の中谷教授はゴモラを生け捕りにして万国博に展示したいと考え、科学特捜隊に空輸を依頼する。実際の大阪万博開催はこの放送の3年も後だが、劇中では一切、説明がされていない。それだけ視聴者には知れわたっていた期待のイベントだったのだろう。ウルトラマンに倒されたゴモラの剥製が展示されるのは「古代館」というパビリオンの設定だったが、現実の大阪万博では、円谷英二は「三菱未来館」で上映される360度映像「サークロマ」の制作を担当。

禁断のカプセルから怪獣2体が出現し、国立競技場で対決

1966年 「悪魔はふたたび」(ウルトラマン)

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国立競技場にバニラとアボラスが出現し、怪獣同士の一大決戦が行われていた。

超古代文明ミュー帝国で恐れられていた2匹の怪獣が現代に蘇り、都内のスタジアムで激突する―。戦いの舞台となったのは、1964年に東京オリンピックのメインスタジアムとして使用された旧国立競技場だ。「ウルトラマン」の監督のひとり、実相寺昭雄は著書『ウルトラマンの東京』の中で、「東京オリンピックが街をぶち壊す要因をつくった」と嘆いているが、本作では怪獣がオリンピック会場をぶち壊している。そもそも「ウルトラQ」のタイトルは体操競技解説中の造語「ウルトラC」に由来。ウルトラマンはオリンピックと歴史をともにしているのだ。

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【高度経済成長】

ウルトラマンが活躍したのは、日本が大発展を遂げた時代だった。大戦後の焼け残りからスタートした日本は、1955年頃からは、実質経済成長率が年平均で10%前後を記録する「高度経済成長期」に入り、60年には、池田勇人内閣が10年間でGNPを2倍以上に引き上げる「所得倍増計画」を発表。当時の流行語を使うなら、まさに「モーレツ」時代だった。

ところが急速な戦後復興は、大きな歪みを生んでいた。経済的には潤ったが、巨大化する都市の中で人と人とのつながりも希薄になる。そうした経済発展の負の側面をテーマにしたストーリーが少なくない。「ウルトラQ」の本放送では見送られたエピソード「あけてくれ!」は、近代化のスピードに追われたサラリーマンがドロップアウトする姿を描き、ウルトラセブンの「あなたはだぁれ?」では、画一性を要求される都市生活のスキマで侵略計画を進める宇宙人が現れる。どちらも経済優先の合理性が生み出した闇の部分を照射したものである。

社会に疲れた人々を異次元へと誘う、謎と恐怖の列車

1967年(再放送) 「あけてくれ!」(ウルトラQ)

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男が乗っていた電車が突然上空に向けて走りだし、降りようとしたがドアが開かなくなる。

ドライブに出かけた淳と由利子は、路上で横たわる中年男を保護する。その男、沢村は異次元に向かう電車から降りようとしたという―。理想郷に向かう異次元列車には、会社生活や家庭、学校生活に疲れた人々が乗り合わせている。沢村も会社ではうだつが上がらず、崩壊寸前の家庭生活を送っている人物だ。社会のスピードや合理主義のストレスについていけずに、人が失踪してしまうのは現在でも聞く話。どこかにいなくなりたいというのは、高度経済成長の急激な発展がもたらした現代病なのか、あるいは異次元人のたくらみなのか……。

隣人すら知らない大都会に潜む、現代の寂しい実情

1968年 「あなたはだぁれ?」(ウルトラセブン)

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男はウルトラ警備隊に公衆電話から電話をかけるが、電話中にフック星人に取り囲まれ気絶してしまう。

深夜、酒に酔い、団地の自分の部屋に帰った佐藤は、家族や近隣の住人に「知らない人」扱いされてしまう。途方に暮れた佐藤はウルトラ警備隊に通報する──。高度経済成長期の人口過密な都市生活では、利便性や効率化と引き代えに、他人とのつながりが希薄になっていく。「隣はなにをする人ぞ?」は、都会で暮らす現代人にとっては当たり前のスタンスとも言える。このエピソードは、自分の家の中ですらそれぞれ思うままに行動し、絆が薄れてきている現代社会において、家族に「あなたはだぁれ?」と言われる恐怖を予言しているのかもしれない。

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【東西冷戦】

第二次世界大戦後の世界は、自由主義陣営の西側と、共産主義・社会主義陣営の東側に分かれた対立構造で動いていた。アメリカとソビエト(ロシア)は直接、戦火は交えなかったが、朝鮮戦争、ベトナム戦争、キューバ危機のような代理戦争が何度も起きたのだ。加えて互いに軍事的パワーバランスをとるための核兵器の配備数を拡大していった。

その余波は、アメリカの同盟国となった日本にも及んだ。朝鮮半島を舞台に東西陣営が対決した朝鮮戦争や済州島四・三事件で生まれた避難民は、1950年代にボートピープルになって日本に押し寄せ、60年代、ベトナム戦争で戦った米軍が、在日米軍基地から出撃したこともあって、日本での学生運動が高まりを見せた。

ウルトラマンシリーズでも、冷戦構造を背景にした数々のエピソードがあるが、いずれも明快な答えを提示したストーリーではない。あなたはどう思う? そんな視聴者への問いかけは、55年以上を経たいまも生きている。

修理のため立ち寄った避難民のエイリアンが、永遠のライバルに

1966年 「侵略者を撃て」(ウルトラマン)

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バルタン星人が地球にやってきたのは、たまたま宇宙船の修理に寄っただけだった。

東京にバルタン星人の円盤が飛来した。彼らの故郷バルタン星は、狂った科学者の核実験が原因で爆発してしまったのだ。宇宙旅行中のため生き残った20億3000万人のバルタン星人は、宇宙船で放浪中、立ち寄った地球で侵略作戦を開始する―。永遠のライバル・バルタン星人は、いわば宇宙のボートピープル。ウルトラマンとの移住交渉が決裂し、武力による制圧を選んだ。その名前の由来のひとつとして、20世紀初頭「ヨーロッパの火薬庫」と呼ばれたバルカン半島が挙げられる。バルカン諸国の大半は、冷戦中、共産主義政権によって統治されていた。

我こそ先住民と訴えるのは、人類に土地を奪われ海底に暮らす知的生命体

1968年 「ノンマルトの使者」(ウルトラセブン)

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地上破壊を続けるイギリスの原子力潜水艦の艦内は、人間の姿をした知的生命体に占拠されていた。

強奪された原子力潜水艦や怪獣が、船舶や海底施設を襲撃する。事件は地球の先住民族を名乗る地球原人ノンマルトの仕業だった。ウルトラマンセブンは、果たしてノンマルトと闘うべきなのか――。ウルトラ警備隊が敵潜水艦を追撃した先に、複数の建物らしきものを発見。それは人間の侵略によって地上から追いやられ、自分たちの手で築き上げた、平和に暮らすノンマルトの海底都市だった。地球防衛軍海洋潜航艇の大型ミサイルが打ち込まれ、ノンマルトは全滅した。いったいどちらが、地球の侵略者だったのだろうか?何とも感慨深い一作だ。

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【核開発】

昭和は、世界的に見ても科学技術が急進した時代。宇宙、コンピューター、そして原子力や核兵器開発は、当時の世界情勢を語る上で、重要なファクターである。

科学技術は人間に豊かさと安心をもたらすが、人類の脅威にもなる恐ろしい両刃の剣でもある。

ウルトラマンシリーズで描かれるのは、人間の手に余る科学技術への警句だ。ひとたび想定を上回る力が生まれ、ひとり歩きを始めれば、人間はそれをさらに超越する力を生み出さなければならない。

「ウルトラセブン」の「第四惑星の悪夢」は、AIが発展した現代社会の行く末を暗示する話。「ウルトラマン」の「大爆発五秒前」では、ずさんに管理された兵器が人類を危険にさらすことに。

圧倒的な力をもつ脅威に対し、人間はそれを抑止する力で対抗するべきなのか。「ウルトラセブン」の「超兵器R1号」の劇中、モロボシ・ダンが兵器開発競争を、「血を吐きながら続けるマラソン」と表現。昭和の時代に発せられた問いは、実に奥が深い。

人類が生み出したロボットが支配する、謎の第四惑星者

1968年 「第四惑星の悪夢」(ウルトラセブン)

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ロボット長官は、コンピューターによる支配に反対する人間を、反乱分子とみなし処刑してしまう。

ウルトラ警備隊のダンとソガ隊員が宇宙ロケット・スコーピオン号のテストパイロットに選ばれ、30日間の睡眠テストの後、謎の「第四惑星」に到着する。ここは人間がつくり出した「長官」を筆頭とする、ロボットに支配された星だった。いつかコンピューターにとって代わられるぞ、という警鐘は、社会のオートメーション化がスタートしたばかりの昭和の時代にも発せられていた。近年のネット社会では、AIが選択した個人向けの広告が消費行動の指標になっている。現代人の生活も、ロボットに乗っ取られているのかもしれない…… !?

ロケットの墜落により怪獣が巨大化し、原爆をぶらさげて上陸

1966年 「大爆発五秒前」(ウルトラマン)

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放射能汚染で巨大化したラゴン。核兵器の管理体制に警鐘をならす作品でもあった。

宇宙開発用原子爆弾を搭載したロケットが太平洋に墜落する。ある日、神奈川県・葉山マリーナに原爆をぶら下げた海底原人ラゴンが上陸。実はウルトラマンには同様の怪獣がもう一匹いる。投棄された水爆を飲み込んだレッドキングが登場する話がある。なぜ何度も核をもった怪獣が現れるのか。かつて核兵器搭載の爆撃機が飛び回っていた昭和の時代、米軍は頻繁に核爆弾紛失事故を起こしていたのだ。有名なのは爆撃機が墜落しメガトン級熱核爆弾1発が水没した、66年の地中海の事件。「大爆発五秒前」からは、こうした実話の影響を感じられる。

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※この記事はPen 2022年6月号「ウルトラマンを見よ」特集より再編集した記事です。