各界で活躍する方々に、それぞれのオンとオフ、よい時間の過ごし方などについて聞く連載「MY Relax Time」。第40回は、『ドラえもん』のスネ夫など声優として少年役から青年・壮年役まで演じる一方、俳優や歌手、MCなど幅広いステージでマルチに活躍する関智一さんです。
写真:殿村誠士 構成:舩越由実
声優や俳優の仕事をやってきて30年ほど経ちますが、ずっと同じままではいられないので常に新しいことを始めたいという気持ちがあります。年を重ねるごとに周囲の人が入れ替わり、自分の立ち位置も変わっていきますから。実はいままで司会やMCは大変そうだなと思って断っていたんですが、テレビ朝日の『声優パーク建設計画メタバース部』でMCに挑戦しています。テレビ番組の編集されるという文化に馴染みがなかったので、実際の放送時間の何倍もカメラを回した結果、どこが最終的に使われたのかを放送後にチェックして、勉強しながら収録に臨んでいます。最初は緊張していて、ご一緒しているぺこぱさんとのやり取りも探り探りでしたけど、だいぶ仲良くなってきたと思います。
新しいことへの挑戦もそうですが、負けず嫌いなところもあって、無茶な企画でも、「任されたらやりたい」という気持ちになります。たとえば、テレビで声の瞬間演じ分けが話題になったおかげか、アニメの『新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP』では、ひとりで7役を演じることに。ちゃんと話題になってよかったです(笑)。自分にどんなことができるのか、知らない自分を見つけたいですね。失敗するかもしれないけど、チャンスをもらったらなんでもやってみようと思っています。
休みの日は道の駅に行っています。そこで買ったソーセージを食べながら、流れる雲を見上げて日向ぼっこしつつ、のんびりしています。もうすぐ50歳になるんですが、野菜や自然のものに心惹かれるようになってきました。「おいしい野菜を食べたい」「野菜を育てたい」という気持ちが湧き上がって、トウモロコシを自宅のベランダで栽培していたこともあります。
僕は基本的にはインドア派ですが、趣味となると外出する感じですね。自粛期間は控えていましたが、特撮好きなのでレトログッズショップをめぐっておもちゃを買ったりもしています。昔、発売されていたヒーローのレトロソフビ(中が空洞になっている人形)や撮影に使われた小道具などですね。満遍なく幅広い作品のものを集めていますが、きっかけは子どもの頃に再放送で観ていた『電人ザボーガー』かな。寸胴なフォルムが格好よくて可愛くて、愛着があります。フィギュアの模型製作を10年くらいやっていたんですが、いちばん初めにつくったのも『電人ザボーガー』なんですよ。蒐集したものは、自宅とは別に借りている倉庫に集めています。どこかに散り散りになって散逸してしまうよりは僕がまとめて預かっておこうと思って。ゆくゆくは任せられる人を見つけて、後世に残していきたいですね。
なにかを始める前や一息入れるためにたばこを吸うことは多いです。深呼吸のようなものですね。収録では集中しないといけない時間が続いて疲れてしまうので、休憩の時に一服して気持ちを切り替えることもあります。座長をしている「劇団ヘロヘロQカムパニー」では江戸川乱歩など昭和の作品を公演することも多く、たばこは時代を表現する小道具として演出に使っています。もともと吸い始めたのは、ドラマ『あぶない刑事』に憧れたからです。それ以来、ドラマや映画、友だちに影響されてたばこの銘柄はけっこう変えています。たばこだけではなく、ジッポのオイルや発火石の交換、メンテナンスや後始末も含めて道具を育てる感覚を楽しんでいる側面があります。レトログッズと同じで、趣味に近いですね。
たばこに限らず、相手のことを考え自分の都合を押し付けないことは大事ですが、たばこではより一層意識しています。喫煙マナーを守らない人がいるとたばこ自体の印象が悪くなってしまいます。こちらが率先して優しくしていれば、相手からも優しさを返してもらえるようになるのと同じ。まずは吸う側からマナーを守る姿勢を示して、お互いが気持ちよく過ごせるようにしたいですね。
『江戸川乱歩パノラマ朗読劇 5人の明智小五郎』
関智一主宰の劇団ヘロヘロQカムパニーが初の朗読劇を上演。江戸川乱歩が生んだ名探偵・明智小五郎が登場する4作品を日替わりで上演する。さらに、明智小五郎も日替わりキャストだ。
原作:江戸川乱歩 演出:関 智一/野坂 実 脚本:関 智一/大石達也
劇場:こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ
日程:2022年6月1日(水)~6月5日(日)
上演作品:
1日(水)/2日(木)「心理試験」
3日(金)「何者」
4日(土)「怪人二十面相」
5日(日)「D坂の殺人事件」
出演:
*全日出演劇団員
関 智一、置鮎龍太郎、岩崎諒太(他劇団員は作品ごとで出演)
*日替わりゲスト
1日(水)浪川大輔(ステイラック)
2日(木)畠中 祐(賢プロダクション)
3日(金)佐藤拓也(賢プロダクション)
4日(土)森久保祥太郎(アドナインス)
5日(日)榎木淳弥(アトミックモンキー)
前売・当日チケット:S席¥7,000/A席¥6,000/B席¥5,500(税込み/全席指定)
https://l-tike.com(Lコード:31892)
www.spacezero.co.jp/
www.jti.co.jp