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映画版『セックス・アンド・ザ・シティ』(2008年)で、主人公キャリーが図書館から借りてきた本を読んでいると、ミスター・ビッグが「君は図書館でまだ本を借りている最後の人かい?」と聞くシーンがある。キャリーは「本の香りが好きなの」と答えるが、彼女は図書館を利用している最後の人ではない。図書館は依然として人気だ。むしろ以前よりも、現在の方が利用されているという。
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デジタル化が進んで、より借りやすく
人気ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティー』の続編で、HBOが制作するドラマ『AND JUST LIKE THAT...』でも、ニューヨーク公共図書館のカードを手に持っているサラ・ジェシカ・パーカー演じるキャリー・ブラッドショー。
非営利のデータ分析とリサーチ団体「ワーズ・レーテッド」が今年2月に発表したレポートによると、1992年〜2019年の過去30年間の間で、アメリカ国内の公共図書館の利用率は過去最高になったという。2009年から2019年の間に、実際に図書館を訪れる人数は21%減少したが、アメリカの人口の約54%に相当する1億7400万人もの人が、地域の図書館に登録している。書籍のデジタル化に伴い、書籍の約58%はオンラインで貸し出している。
書籍が一段と借りやすくなった一例として、ニューヨーク公共図書館のアプリ、「シンプリーE」が挙げられる。Kindleやスマートフォンで、Eブックやオーディオブックが無料で借りられる。仕組みは簡単だ。アプリをダウンロードして、公立図書館のカードの番号を入れるだけ。
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開催されるイベントへの参加者も増加
また、図書館で開催されるアクティビティも盛んだ。多くのプログラムが開催され、来館者は増加傾向にあるという。ワーズ・レーテッドによると、2019年には1億2500万人が、図書館が開催するプログラムに訪れた。これは2004年の統計に比べてほぼ2倍。2014年と比べると23%以上の増加だ。美しい外観で著名なブルックリンの「セントラル・ライブラリー」では、2021年10月に野外スペースでオペラを開催した。また、パンデミックになってからはwifiを野外にも飛ばし、休館日でもインターネット回線を切ることなく、ブルックリンの約30箇所の図書館ではテーブルと椅子、ブックカートを歩道や外のスペースに設置して、誰でも気軽に読書できるスペースを設けた。
ブルックリンのセントラル・ライブラリーでは、さまざまな野外イベントが開催されている。
まるで庭園のような、グリーンポイント・ライブラリーの野外スペース。
ミレニアル世代に浸透している「シェアリング」の概念。クルマや衣服、家具など、なんでも所有せずに貸し借りで無駄を省き、サステイナブルなライフスタイルが主流になってきている現代で、図書館はまさに時代のニーズに応えていると言えるだろう。
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アダムスストリート図書館の外観。元工場跡をリノベーションして、図書館に生まれ変わった。かつての「図書館のイメージ」を払拭するモダンな造りが印象的だ。ブルックリンのダンボ地区に位置し、ブルックリンブリッジパークからも近い。